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バッケ、キクザキイチゲ、フクジュソウ、ギョウジャニンニク、カタクリ、コゴミ、早春の白神定食・・・
白神山麓に、やっと春を告げる草花たちが一斉に咲き始めた
それは、春の訪れとともに「山菜シーズン」到来を告げるシグナルでもある
百花繚乱に咲き乱れる花園を鑑賞しなから、春一番の山菜を採る

その感激は、春の訪れが遅ければ遅いほど大きい
(写真は、雪解けの清流とキクザキイチゲ)
▲雪が解けたばかりの斜面に顔をだしたバッケ(ふきのとう、八峰町真瀬川)

バッケは、雪解けとともに顔を出す春一番の山菜である
真瀬川沿いの道を上流に向かって走ると、次第に雪も深くなる
一ノ又沢と中ノ又沢が合流する辺りまでくると、雪解けの斜面に旬のバッケが群生していた
バッケの旬は、まだ開花しないツボミ状の若芽
根元をつかみ、手でひねるように摘み取る
ほろ苦い独特の香りは、雪国を代表する早春の味である
▲早春を代表する山菜二種・・・カタクリとバッケ(2012年4月21日)
▲キクザキイチゲの巨大群生(藤里町真名子)
雪深い内陸部の山里にも春を告げる草花が咲き始めた
キクザキイチゲは、一般にカタクリなどと混生している場合が多い

イチゲだけが、長大な斜面一面を覆い尽くすほど咲く光景も珍しい
しかも、白と紫色の二種を同時に鑑賞できるのもありがたい
▲藤里町横倉棚田の畦に生えたバッケ
▲白神の山里に春一番を告げるフクジュソウ(藤里町横倉棚田)
雪解けの早い海岸部のフクジュソウは、3月中旬頃に咲く
けれども内陸部の藤里町では、約一ヶ月ほど遅れて咲き始めた

花言葉は、永久の幸福、幸福を招く、祝福・・・
その鮮やかな黄色は、映画「幸福の黄色いハンカチ」を思い出す
横倉のフクジュソウは、雪が解けたばかりの斜面に咲き始めたばかり
杉の枯葉の下には、まだ開花しないツボミがたくさんあった
満開になれば、黄色の絨毯を敷き詰めたように咲き誇り、さぞ美しいことだろう

横倉湧水、横倉棚田に春告げ花が満開に咲けば、まさに人生の楽園と化す
日本が捨てた宝物・・・都会の人たちからみれば、桃源郷のような隠れ里に見えるであろう
こうした白神の暮らしと文化を体感できる場所こそ最大の観光資源だと思う
▲八峰町山村広場・御所の台ふれあいパークのカタクリ群落

山に向かって遊歩道を歩く
ほどなく見上げる斜面を真っ赤に染め上げるほどの大群落に出くわす
春を告げる草花は、白や黄色が多いだけに、カタクリの紅色は一際美しく見える
▲御所の台ふれあいパーク案内看板・・・遊歩道を歩けば、カタクリ、キクザキイチゲなど、里山に咲く草花を気軽に鑑賞できる
▲クマ避け用に吊り下げられていたドラム缶
▲クロサンショウウオの卵

典型的なクロサンショウウオの卵のうは、
白いアケビ型で他のサンショウウオの卵のうと簡単に区別できる
それにしても一塊の卵のうのサイズが極めて大きいことに驚かされた
2012年4月21日(土)、雲一つない快晴に誘われ、白神山地に向かった
東能代ICから能代山本広域農道を北に向かって走る
白神山地を正面に見ながら走る気分は、爽快感満点である
五能線沿いの小河川に入る
裸の森の林床には、春の光が100%降り注ぎ、一年中で最も明るい
春告げ花たちは、この機を逃さず百花繚乱のごとく咲き乱れていた
▲やっと出始めたギョウジャニンニク 

本日のメインはギョウジャニンニク
白神では、海岸部のさもない雑木林に群生している
カタクリが咲き乱れる斜面を上ると、ほどなくギョウジャニンニクが群生する高台に辿り着く

まずは荷をおろし、地面に這いつくばりながらローアングルで撮る
根こそぎ採れば、二度と生えなくなる代表で、採取は特に注意が必要
二枚葉を選び、間引くように根元をハサミで切り採る(根こそぎ厳禁!)
▲葉先はカモシカが食べたのだろうか
若芽は、毒草のコバイケイソウやスズランと似ているので注意が必要
見分け方は、根際がシュロのような網状繊維に覆われ、強いニンニク臭がある
かつて山伏行者がこれを食料にして厳しい修業を乗り切った山菜&滋養強壮薬でもある

醤油漬け・・・軽く湯にくぐらせてから万能つゆで漬け込む
豚バラやベーコンとの炒め物、おひたし、酢味噌和え、バター炒めなど
▲日当たりの良い斜面に群生したカタクリ

カタクリは、春告げ花として鑑賞するだけでなく、春を味わう山菜の一つ
採取は、根元近くの茎をつかんで軽く上に引き上げると、スポッと白い茎より上が抜けてくる
資源保護のためにも鱗茎は掘り取らずに残すこと
料理は、花も含めて全草をさっと茹でてから、おひたしで食べるのが定番
食べ過ぎると、お腹をこわす人もいるので注意
▲コゴミ(クサソテツ)

山野草を撮影しながら日当たりの良い渓流周辺を歩く
アイコやホンナはまだだが、コゴミが生えていた
丸く巻いた若芽の根元部分をナイフで切り採る

料理・・・軽く茹でると、鮮やかな緑色になる
胡麻和え、酢味噌和え、マヨネーズ和え、天ぷら、汁の実、煮物、サラダ、漬物など
▲クレソン(オランダガラシ) ▲コバギボウシ ▲ヤブカンゾウ
▲「早春の恵み」をザルに入れ撮る(カタクリとギョウジャニンニク)
▲白花が咲き始めたヤマワサビ ▲トリカブトに似ているニリンソウの若葉
林床を百花繚乱に彩る花園を散歩していると、まるで桃源郷を歩いているような錯覚に陥る
ならば、桃源郷の花園を借景に昼飯を食べたくなった
昼には早いが、花園のど真ん中に陣取り荷をおろす
雪解けの水をコッフェルに汲み、お湯を沸かす
ミニカップラーメンを汁にオニギリをほおばる
食後は、360度花園を眺めながら、のんびりコーヒーを飲む  
▲清流と紅のカタクリ ▲ブナ帯の清流は透明度が抜群
遅ればせながらニリンソウの花もちらほら咲き始めた
▲エゾエンゴサク ▲ヤマエンゴサク ▲ミチノクエンゴサク
▲開花前のエンレイソウ ▲開花したエンレイソウ ▲スミレサイシン
▲早春の白神定食

左上からバッケ味噌、ギョウジャニンニクと豚バラの油炒め、コゴミとマヨネーズ
左下からヤマワサビの醤油漬け、イワナの塩焼き、カタクリのおひたし
さらに山菜の天ぷらを肴に熱燗を飲む・・・極楽、極楽!

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