雪代と春一番の爆釣、ヒラタケ、オシドリ夫婦、カモシカとクマ、ブナの開葉と花、アイコ、オオヤマザクラ・・・ |
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2012年GW前半は、日帰りのイワナ釣り&山菜採りへ 日本海側の小河川は、連日好天が続き、雪代はピークを迎えていた 各枝沢から流れ込む雪解け水は驚くほど多く、合流した本流は渡渉に難渋するほどだった こんな雪代期は、イワナ釣りにとって絶好のチャンスでもある 雪代で増水した渓流は、川虫や陸生昆虫を一気に流す 大場所で眠っていたイワナたちは、この時を待っていたとばかりに動き出す (写真は源流部で出会ったカモシカ) |
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今年の雪解けは極端に遅かった それだけにイワナたちは、雪代が始まると活性度が爆発するほど急上昇 雪代期のイワナ釣りは、まさに「イワナ天国」である |
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▲薄紅色のオオヤマザクラも咲き始めた | ▲ニリンソウも三分咲き | ||||||||||||||||||
4月下旬、遅い桜もやっと開花し、雪国に春爛漫の季節がやってきた 日本海側の小河川では、薄紅色が鮮やかなヤマザクラも開花 河口付近は、カタクリやキクザキイチゲが終わり、ニリンソウが咲き始めた 今年の春は記憶にないほど遅かった それだけに雪国の春は一気に加速・・・まるでビデオの二倍速を見ているように速い |
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▲朝から雪解け水で沸き返る渓 | ▲春のキノコ、ヒラタケ | ||||||||||||||||||
朝5時前秋田を出発・・・目的の河口部の水量は、いつになく多い 一般的に、雪代は10時頃から午後3時頃までだが、 夜半でも気温が高いと、雪代は一日中続く・・・今日は、そんな珍しい日だった 小沢を下る途中、倒木に生えた春キノコの代表・ヒラタケ発見! 幸先の良いスタートだった |
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▲雪代逆巻く渓を釣る | ▲顔が黒くサヒついた雪代イワナ | ||||||||||||||||||
釣り人同様、イワナも遅い春を待ちに待っていたのであろう 雪代終盤にさしかかると、イワナの活性度は一気に上昇 最初からイワナの「入れ食い」モードに突入した 7寸未満の小物にもやたら邪魔され、リリースを繰り返しながら釣り上がる しかし、待てよ・・・このままポイント全てを釣っていたら、餌がなくなることは自明だ 水深の深い大場所を中心にポイントを絞って釣ることにする |
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▲イワナを掛け、対岸に釣り上げようとする相棒 相棒にもイワナが入れ食いで竿を絞り続けた しかし、せっかく釣り上げた良型イワナを流れに落とすケースが目立った それはオモリが重過ぎて、合わせのタイミングが分かりにくかったようだ 河原を歩くことができるイワナは、流れの近くに落としてしまえば、ほぼ逃げられる 上の写真は、イワナが掛ったら対岸に向かって走り、 例え落としたとしても、流れから離れた陸に落とす作戦のようだ |
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春先のイワナのポイントは、至って簡単 水深が深い岩陰や大淵左右の巻き込み、カーブ地点の深瀬など・・・ さらに、解禁間もない時期は、イワナの警戒心も薄い 従って、春のイワナに限れば、初心者でも簡単に釣れる しかし、雪代の洗礼を受けると、イワナは別人のように警戒心が強くなる 初心者の場合、スランプに陥るのは決まって初夏から夏の渇水期である |
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雪解けの早い小河川の場合、イワナがスレて場荒れするのも早い イワナが根こそぎ釣られていなくなったのでは・・・と思うほどイワナの影が極端に少なくなる ところが翌年の春になれば、信じられないような入れ食いを経験する そんなことを毎年体験していると、天然イワナの繁殖力、生命力の凄さに脱帽せざるを得ない やはり、自然の力=ブナ帯の森の力は人智を超えている |
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▲イワナが中空を舞う瞬間を撮る ブドウ虫を岩陰の底スレスレに流す イワナが餌を咥えると、竿を握る手にその動きが伝わってくる・・・竿先を見れば弓なりに ほどなく岩陰に向かって走る・・・その瞬間をとらえて合わせる 良型のイワナが中空を舞う・・・釣り人にしか味わえない感激を何度も味わう 今回は、幸運にも、春一番乗りの爆釣に当たった |
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▲釣り上げては、イワナのズームアップ撮影を繰り返す イワナは、水系ごとに異なる独特の個性を持っている 陸封型のイワナは、河川ごとに隔離され自由に交配できない この交配の断絶が遺伝子の特殊化を促し、さまざまなタイプのイワナを生んだ理由であろう 北東北の渓流では、マタギらによって魚止めの滝上に繰り返し移植放流が行われている それは、陸封されたイワナの天然分布域よりさらに源流部まで拡大していることを意味している 同じ水系でも魚止めの滝上に生息するイワナは、滝下流部との交配が断絶されている それ故に、遺伝子の特殊化はさらに進んだように思う その典型的な例が、「頭のつぶれたイワナ」であろう |
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▲雪解け水の瀑布 朝から気温が高く、雪解けは一日中続いた 上の写真は、枝沢に懸かる滝だが、本流の滝かと見間違うほど水量が多い 余りの暑さに、上着の雨具を脱ぎ、ついには厚手の上着も脱ぐほどだった |
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イワナは、河原だと暴れてなかなか撮影できない ところが冷たい雪の上に置くと、意外におとなしくなる 黒くサビついた早春イワナの特徴を引き出すには、雪の上が一番 こんな黒サビイワナでも、雪代に磨かれると、丸々太った美魚に変身する イワナの旬は、そんな初夏の頃である |
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顔は真っ黒にサビつき、魚体は全体的に緑っぽい 頭から背中にかけて斑紋が虫食い状に乱れ、 側線前後の斑点も大小入り乱れている・・・遺伝子の特殊化を物語る個体だ |
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▲爆弾低気圧で倒れた数百年ブナ 根こそぎ倒れた巨大ブナの倒木 4月初旬に列島を襲った爆弾低気圧の凄まじさが蘇る こうした自然の災い、撹乱があるからこそ、秋・キノコの恵みをもたらしてくれる 恐らく3年後になると、サワモダシあるいはムキタケ、ナメコが群生するであろう その光景を勝手に想像しながら撮ると、楽しみも広がる |
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▲頭が大きい源流イワナ 上のイワナは、頭がデカク、成長が遅い典型的な源流イワナの特徴を示している 大きな口と鋭い歯は、蛇をも食らう源流の王者の風格を感じる 人跡稀な源流の王者を釣る・・・その魔力に釣り人は狂わされる |
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当然のことながら、源流部に行くにつれて型もワンランクアップ ところが、余りの爆釣に持参した餌を使い過ぎてしまった 相棒は、上二又に達すると、ついに餌がなくなった |
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▲上二又上流部は、まだ雪が深い 上二又に荷を下ろし、カメラと竿を持って右の沢に入る カーブ地点の細長い淵で、腹部が柿色に染まった刺身サイズのイワナが釣れた 雪深い前方を見ると・・・ |
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▲雪深い源流に遊ぶオシドリ夫婦 色鮮やかな「オシドリ夫婦」が、仲良く雪の上を散歩しているではないか 彩り鮮やかな右がオス、地味な左がメス 山間の渓流などに棲み、水生昆虫も食べるが、特にドングリ類を好む |
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▲沢を下ってきたカモシカと出会う 今度はカモシカ・・・ イワナのポイントを荒らすかのように、淵をジャブジャブ歩きながら下ってきた これは、無用な釣りをやめなさい!との忠告であろう 時計を見ればまだ12時前だが、竿を畳む 二又まで下がってお湯を沸かし、昼食モードに 残雪が目立つ源流部だが、やたら暑い・・・上着を脱ぎ、Tシャツ一枚になる ミニカップラーメン、おにぎり、漬物、バナナ、ゆでたまご、そして食後のコーヒーを飲む これじゃ、まるで大人の遠足だ そう、山釣りは、子供の頃の遠足、修学旅行のようなものである |
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▲雪代が増す渓を下る | ▲棒の先はカモシカの死骸 | ||||||||||||||||||
下りは、買い物袋をカラビナに吊るし、山菜を採りながら下る 雪代で水嵩がピークに達しつつあっただけに、 渡渉は比較的広い瀬を選び、斜め下流に流されながら下る 下る途中、カモシカの死骸(右の写真)が横たわっていた 恐らく雪崩に巻き込まれたのであろう 冬眠から覚めたクマは、雪崩で死んだカモシカを好んで食べる クマは、もともと肉食の動物である 最近、シカが増えた結果、クマがシカを襲うケースが増えているという マタギサミットでは、「熊は、カモシカを食べることも含めて、肉食化している」ことが話題になっている |
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▲ネコノメソウ | ▲白花が咲き始めたヤマワサビ | ||||||||||||||||||
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▲ブナの開葉と花 小沢を上って林道に出る・・・対岸を遠望すると、淡い緑がまだら状に霞んで見える つい一週間前は冬芽に過ぎなかったのに、新葉が開き雄花が多数垂れ下がっていた ブナの花粉は、鳥や昆虫ではなく、風で飛ぶ 5月、残雪の上に毛玉のような雄花が散っているのをよく見かける 今年は、春の訪れが遅かった分、ブナの芽吹きは、一気に爆発したかのように走り出した 恐らく、新緑の波は、これまでの遅れを取り戻すほどの速さで広がるであろう |
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オオヤマザクラが咲き始めた下流部ならアイコがでているのではないか ニリンソウが咲き乱れる川沿いを探ると、やっとアイコが芽を出し始めていた 今年初物だけに、丁寧に探しながら採取する 今夜は、イワナの刺身、塩焼き、アイコとコゴミのマヨネーズ和え カタクリのおひたし、クレソンの生サラダを肴に熱燗を飲む ブナ帯の恵みを釣って、採って、食べる幸せは何にも代え難い |
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▲雪国の春を喜ぶように薄紅色に咲くオオヤマザクラ オオヤマザクラが咲き、ブナの新緑が谷から峰に向かって駆け上がると、 渓谷は活気に溢れる・・・雪代の流れにイワナが躍り、山菜、山野草が負けじと一斉に芽を出す 山釣りにとって、雪代と新緑の季節こそ最高の季節である・・・楽しみはしばらく続く |