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倒木マイタケ、感激と苦労、雑キノコも一カ月遅れ、ミズのコブコ松前漬け、キノコ凶作?
9月30日、台風17号の影響でやっと恵みの雨が降った
しかし、マイタケ採りは苦戦続き・・・プロでもマグレで当たるぐらいしか生えていない
雑キノコも約一か月遅れでやっと出てくるという異常さ・・・

想定したキノコ木周辺は、ことごとく×
それでもマグレで、想定外のマイタケに当たった

2012年10月3日、朝4時、K相棒とマイタケ山に向かった
先日の恵みの雨で、マイタケは一斉に発生したに違いない
それだけ期待は大きかった

これまでマイタケを採った中では最奥地をめざす
なぜなら「マイタケは足で採る」と信じているからだ
ましてや、不作の年は、そうせざるを得ない

よく踏まれたマイタケ道から沢へ降りる
まとまった雨が降った割には、水量が少ない
各枝沢は、依然として枯れたままである

雨は乾いた山にしみこんだだけで、水嵩が増すほど降ってはいないようだ
これでは、9月の「高温小雨」を一気に挽回するような起死回生的な雨ではなかったようだ
瀬尻から走る岩魚たちも、どこか元気がないように見えた

車止めから真っすぐ歩いて2時間、目的の小沢に辿り着く
ブナとミズナラが林立する尾根を上る
途中、笹藪がひどく、小沢にエスケープした・・・それが幸運を呼び込んだ
▲倒木の表に生えたマイタケ ▲倒木の裏に生えたマイタケ

水がほとんど流れていない小沢を上ってほどなく、ミズナラの大木が沢に突き刺さっていた
根元を何気なく見上げると、黒っぽい塊が見えた
「あれ、マイタケでねぇが・・・」

足早に根元に向かって走る
間違いない・・・「マイタケだぁ〜!」と叫ぶ
根元にザックを置き、カメラを取り出して感激の撮影開始
マイタケは、根元の周囲を取り囲むように生えていた
「これだば、疲れも吹っ飛ぶなぁ」

茎も太く、傘は満開に開いたスワリ末期の状態であった
このまま週末になれば、キノコバエが飛び、ほぼ100%ナガレていただろう
例年より気温が高く、成長がやたら早いようだ
木の花のように生えた美しきマイタケを採る
マイタケは、他のキノコに比べ感激の度合いが桁違いに高い
当たれば、「舞茸」の字のごとく、舞い踊りたくなるキノコと言われている

だから当たると、ガッツポーズしたり万歳三唱したり・・・とにかく大騒ぎとなる
ところが、豊作の年は、コンスタントに10kg以上も採れるようになると
感激もだんだん薄れて、「あったな、ヨシヨシ」程度にトーンダウンしてしまう

何事も「感激」は、「苦労」の度合いに比例するらしい
採取したマイタケは約4kg・・・不作の年なら大当たりの部類であろう
しかし、量の割に重さは軽い・・・これも気温が高く成長が早いからだろう
二つの風呂敷に分けて包み、それぞれザックの一番上に背負う

それにしても尾根を這い上がってからわずか30分ほどで当たった
この先、どれだけ当たるか・・・期待は膨らむばかりだったが・・・
現実はそう甘くない・・・ということを思い知らされるのに、時間はさほどかからなかった
▲ジャンボシイタケ

脇尾根に沿うように登り、想定したミズナラの巨木周辺を探し回ること3時間半
ない、ない、ない・・・
誰かに採られた痕跡が残るマイタケ木は、わずか3本

問題なのは、想定したミズナラにマメすら確認できなかったことだ
これでは、次回につながらない
▲ブナの倒木にやっと生えてきたブナハリタケ

ブナハリタケは、他のキノコに比べ水分を必要とするキノコだ
先日の雨でやっと出てきたが、まばらにしか生えていない
毒キノコの筆頭・ツキヨタケも、ごく一部に過ぎないが、約一ヶ月遅れで芽を出し始めた

マスタケ、ヤマブシタケに至っては皆無だ
▲ヌメリツバタケモドキ

やっとブナの森に雑キノコたちが生えだしたが、いつもの賑わいには程遠い
マイタケマンたちは、行きは威勢が良いが、帰りは一様に元気がない
聞けば「収穫ゼロ」・・・我々同様、やみくもに歩き疲れ果てているようだ

帰りに、地元の直売所を覗く
「天然マイタケ」の大きな貼り紙はあるものの、肝心の品物が少ない

その中でたった一株だけ「22,000円」の高値がついた大株があった
店のおばさんがすかさず言った

「こりゃ、マグレでぇ当たったメェダケだ。
まず聞いでぇけれ・・・わずかに残したメェダケを回収に1時間もかげでぇいったどぉ
したども、跡形もなく採られでぇ、何もなかったどよ・・・

雑キノゴも一ヶ月遅れだべぇ・・・何もかも異常だなぁ」
9月の「高温少雨」の影響は、ブナ・ミズナラ林のキノコにとって致命的だったように思う
▲ミズのコブコ ▲ミズのコブコの松前漬け
▲舞茸&ウインナーのバター炒め 
昔から「日照りトビダケ、秋雨マイタケ」と言われている
マイタケは、適度な秋雨がなければ生えてこない
ならば、これから雨が降れば一斉に生えてくるのだろうか

答は、ほとんど期待できないだろう
なぜならマイタケは、寒さが増すと成長も止まり、新たな発芽もなくなってしまうからだ
ほどなく黄葉の季節がやってくる・・・既に時期遅しの感は否めない

いずれにしても今年の山は異常である
ならば、「10月マイタケフィーバー」があってもおかしくないのだが・・・

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