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コウタケ、山釣り最高峰の料理、ツキヨタケ、サワモダシ、岩を抱くキノコ木、危険な崖地、最高の命をいただく
コウタケ(香茸)

 9月〜10月、低山帯のコナラなどの広葉樹やマツとの混成林内の地上に群生する。奥山のブナ・ミズナラ林のマイタケ採り、ナメコ採りでは、ほとんど見ることができないキノコ。その名の通り、香りと歯ごたえが素晴らしく、人気が高い。天日干しにすると香りが増すことから、炊き込みご飯などに利用する。

 生で食べると中毒を起こすので注意。調理の前に茹でこぼして黒い煮汁とアクを除いた後に味付けするのがコツ。炊き込みご飯、天ぷら、網焼き、煮物、土瓶蒸しなど。
山釣り最高峰の料理・・・焼きイワナ&マイタケ&コウタケ炊き込みご飯

 2合の米をとぎ、万能つゆと塩、酒を少々入れて味付けする。マイタケとコウタケを入れて炊き込む。炊き上がる寸前に、焚き火でじっくり焼いたイワナを2匹入れてしばらく蒸す。蒸したイワナを骨から外し、丁寧にほぐす。
 ほぐしたイワナとマイタケ、コウタケ、炊き込みご飯をかき混ぜると出来上がり。味見をすれば、昨晩より数段美味かった。料理人は釣りバカ・シェフ小玉さんだ。彼は、海で釣った魚を焼いて炊き込みご飯を作るベテランだけに、今まで「経験したことのない絶品の味」であった。
▲ダイモンジソウ ▲毒キノコ・ツキヨタケも豊作
 30分ほどイワナを釣ってから、枝沢の右岸の尾根を上り、マイタケを探す。
 尾根筋には、人が歩いたような明瞭な踏み跡があった。何匹ものクマが往来するクマ道であろう。上っても上っても、ブナが圧倒していて、ミズナラが極端に少ない。そういう場所にはマイタケが生えない。標高200mほど上ると杣道に達する。
 杣道沿いに歩くと、やっとミズナラが目立つようになってきた。左上にミズナラの巨木があった。その根元にダマさんが座っていた。近付くと、クロのサワリが一株あるという。恐らく、もう一週間もすればクロマイタケが数株生えてくるだろう。今後数十年は生えるであろう立派なキノコ木である。
 上二又に降りてから、イワナ釣りを楽しむ。二ヵ所のテン場には、焚き火した跡があった。相当釣られているらしく、型がワンランク小さい。私は2匹釣り上げた所で竿をたたみ、雑キノコ調査を始める。
▲今が旬の毒キノコ・ツキヨタケ(月夜茸)

 昨夜も今夜も満月で、ヘッドランプがいらないほど明るかった。そしてツキヨタケは豊作・・・ブナ林の夜、幻想的に光るツキヨタケを撮影するには絶好のチャンスであろう。しかし、私にはそんな毒キノコを撮ろうという意欲はゼロに等しい。
▲ブナハリタケ ▲サワモダシ(ナラタケ)

 雨が多いせいか、例年より早くサワモダシが顔を出し始めた。ただし、部分的にしか生えておらず、大爆発には程遠い。ブナハリタケは、虫食いがゼロでちょうど旬であった。
 たまに刺身サイズのイワナも釣れたようだ。一人3尾、合計12尾釣り上げた所で納竿。昼食後、腹を裂き、内臓と血合いを丁寧に洗い流してから保冷袋に入れてザックに背負う。この保冷袋は、なかなかの優れもので、テン場に戻るまで数時間経過しても、刺身用の鮮度を保っていた。
花崗閃緑岩を抱くキノコ木(マイタケ4株)

 帰路、マイタケを探しながら屹立する花崗閃緑岩の岩場を下った。岩場と緩い斜面の境界を下りながら下がると、ミズナラの木が多くなる。ほどなく、花崗閃緑岩を抱くミズナラの根元にマイタケの株を発見。仲間に向かって「あったどぉ〜」と叫ぶ。マイタケは、何度当たっても、その感激は大きい。
マイタケは、危険な崖地に良く生える

 上の写真をご覧あれ。ミズナラの根の真下は、ほぼ直に近い崖である。キンさんは、滑り落ちないように、シュリンゲを木の根と体に巻き付け、マイタケの株を下から起こしているところである。
▲感激のマイタケを採る
▲本日のマイタケ成果品・・・マイタケは天ぷら用に大きめに裂く
▲イワナ5匹は刺身用にさばき、残りは塩焼き用に串刺しにする。
▲マイタケの天ぷら・・・天ぷら粉に卵を加えると、旨味が増した。
 満天の星と満月が狭い谷間を照らす中、盛大な焚火を囲んで乾杯!
 イワナの刺身と食い切れないほどの天然マイタケ料理を肴に酒を酌み交わす。不思議なことに、持参した酒5合パックが丸ごと一つ増えていた。

 ところが最後に残った5合パックは、何と酒ではなく100%水であった。ナベちゃんが、昨日飲み干した紙パック酒に水を入れて一日持ち歩いたものだった。なぜか宴会途中で、酒と水が入れ替わったらしい・・・これには参りました。
 最後の三日目も雲一つない好天に恵まれた。前回は「経験したことのない大雨」に見舞われたが、最後の山釣りは好天に恵まれ、かつ二日間ともマイタケに当たった。山の神様に感謝、感謝である。
▲ふわふわ卵のマイタケお吸い物 ▲最後の朝の朝食・・・カレーと左のお吸い物
▲焚き火を囲み記念撮影・・・また来年、一緒に遊びましょ
▲家庭で作る「イワナ&マイタケ炊き込みご飯」

 炊き上がったマイタケご飯に、焚き火でじっくり焼いた塩焼きイワナ2尾を入れてじっくり蒸す。これは山釣り最高峰の料理である。なぜなら「イワナは渓流の王者」であり、「マイタケはキノコの王様」・・・それぞれブナの森の最高の命がこもっているからである。

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