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サワモダシの群生その1〜その4、採り残しのマイタケ、シイタケとツキヨタケ、ナガレ、黒マイタケ7株
 手前から探ったら、マイタケは×だったが、倒木に想定外のサワモダシが群生していた。どうもサワモダシの大爆発は数日前だったらしく、半分以上が腐っていた。群生箇所は4ヵ所・・・採取したサワモダシの重さで急斜面を歩くのが困難になった。一旦沢まで下りて沢岸にデポし、次なるマイタケの森へ。

 次々当たるものの、一株のみで他のマイタケマンが採り残したものを採っていることは明らかだった。やむなく、危険な崖地へと這い上がる。幸い、人の歩いた痕跡はなかった。すると、幸運にも黒マイタケ7株の大当たりとなった。疲れも吹き飛ぶ感動を相棒と共に味わった。
 2013年10月4日(金)、駐車スペースがなくなると困るので、朝4時K相棒とともにマイタケ山に向かった。車止めに着いたのは、まだ薄暗い5時過ぎ・・・車は10台程度でピークの半分以下。そろそろマイタケも終わりなのだろうか。
 手前のマイタケ激戦区の枝沢周辺を歩いてみた。素晴らしいミズナラの巨木が林立しているが、その全てに明瞭なマイタケ道がついていた。マメを確認したのは、最初の一ヵ所のみ。以降、マメすら確認できなかった。
▲サワモダシの群生その1

 マイタケは全く駄目だが、倒木に想定外のサワモダシ(ナラタケ)が大群生していた。ところが、右の写真のように半分以上は腐っていた。マイタケに夢中になる余り、サワモダシの旬を逸してしまった。残念・・・それでも旬のもの選び採取すると、相棒が買い物袋に2袋、私は25リットルのビニール袋一杯に採った。
▲傘の表も裏も白っぽいものを選び、ナイフで株ごと切り取りながら採取する。
▲サワモダシの群生その2

 枯れ沢に横たわるブナの倒木に群生していたサワモダシ。ほとんど旬だったが、よく見ると全体的に肉厚で柄の根元が太いオニナラタケであった。
▲旬のオニナラタケ
▲サワモダシの群生その3

 またもブナの倒木に群生したサワモダシ・・・良品を選んで採取したものの、次第にザックはサワモダシで重くなり始めた。
 結局、マイタケは右の小さな一株のみ。マイタケは×、サワモダシは◎であった。重いサワモダシを背負った状態でマイタケ斜面を歩くのは危険極まりない。せっかく標高200mほど上ったが、一旦沢まで下って採取したサワモダシをデポすることにした。
▲下る途中に見つけたサワモダシの群生その4・・・大半が腐っていた。もったいない。
▲毒キノコ・ツキヨタケは、ブナの実、マイタケと同じく久々に豊作
 沢筋の草むらにサワモダシをデポし、上流へ上って次なるマイタケの森へ移動する。沢からマイタケの森に向かって上り始める。次第に傾斜はきつくなり、さすがの相棒もギブアップぎみ。すると、サワグルミやトチ、カツラ、ブナなどの森からミズナラが圧倒的に多くなる。

 ほどなく、ミズナラの右肩に生えていたマイタケに当たる・・・まあまあの株だが、たったの一株であった。
 今度は、黒マイタケが2株。左のマイタケは一部白くなっている。これは誰かがマメの状態の時に隠そうと木の皮を被せていたからである。残念ながら大きくなると、誰でも分かる大きさになる。左の肩に「サワリ」が一株あったが、それは採らずに残す。
 他のマイタケマンの採り残しを採っているとは言え、塵も積もれば山となる。
▲傘が波打つほど開き、ひび割れしたジャンボシイタケ ▲シイタケと似ている毒キノコの筆頭・ツキヨタケ
 またしても採り残し・・・3株あったが、いずれも小さく、当たった部類には入らない。
 下流側にトラバースして探る。傘が開いた黒マイタケであったが、またしても一株のみ。斜面には、わずかだが歩いた痕跡が明瞭に残っていた。当然ながら、これもマメかサワリの段階で採り残されたものであろう。次々に当たるものの、小当たりばかりで大当たりが出ない。
 誰もが歩かない危険な崖地に向かって下り、横にトラバースして急斜面を這い上がる。すると、白い胞子をまとったナガレ初期の茶マイタケがあった。周りを見渡せば、歩いた痕跡はない。俄かに期待が高まった。 
 ほどなく、相棒が「あったぞぉ〜」と叫ぶ声がした。滴る汗を拭きながら、尾根を駆け上がる。何と、旬の黒マイタケが根元を取り囲むように7株連なっていた。やっと疲れが吹き飛ぶ大当たり。これだからマイタケ採りはやめられない。
▲根元の真下に黒マイタケが3株が連なる
▲右側の二株を上から撮る。いつ見ても満開に咲いた木の花のように美しい。
 
 最近は、尺イワナを釣りあげても、ガッツポーズをするような感激がなくなった。不思議なことにマイタケだけは、何度当たっても、派手なガッツポーズをしたくなるほど感激、感動が大きい。この感激を味わいたい一心で、息切れするような急斜面を何時間も歩き続けた。
 1本のミズナラから採取した黒マイタケ7株。マイタケ採りは、「苦労」と「感激」が正比例の関係にある。今回は、マイタケ採りのピークが過ぎ終盤に突入していた。だから、小当たりにもめげずに8時間余りも山を彷徨い続け、最後の最後に上級黒マイタケに当たった。

 それだけに、当たった感激はいつもの200%・・・この感激は、マイタケを採ったものでなければ決して理解できないことであろう。「馬鹿につける薬はない」という点では、「釣り」も「きのこ採り」も同じである。

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