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ブナ林の黄葉、見当たらない食用キノコ、ナメコの群生一ヵ所のみ、食用キノコの群生皆無、晩秋に期待?
 奥山のブナ林は黄葉し始めたが、ナメコの姿がほとんどない。マイタケシーズンが終わり、ツキヨタケやナラタケは腐って姿を消している。本来なら、ナメコやムキタケ、ブナハリタケが一斉に生えていてもおかしくないのだが・・・ほとんど食用キノコが見当たらない。こんなことは初めてのことだけに豊凶を判断するのは難しい。

 夏から秋にかけてのゲリラ豪雨・・・黄葉の季節になっても連日、雨が降り続き、倒木の菌が洗い流されたのではないか・・・沈黙の森を歩いていると、今年のナメコは大不作の予感がした。それが杞憂に過ぎないことを祈りたい。
 山頂部は黄葉真っ盛りで、ブナ林の中はキノコの群生で大賑わいのはずだが・・・いつもお世話になっているキノコ木を探して歩くも、食用キノコの気配すら感じない。一体どうしたというのだろうか。
 たまに生えていても、数えるほどの数粒しか生えていない。群生にはほど遠く、しかも若いのに虫食いが目立つ。
 ムキタケも顔を出し始めているが、これまた群生にはほど遠い。
 たまに群生に出会うと、既に腐っていた。つまり、いつもの10月中旬頃に発生したものの、1週間程度で腐ってしまったということだろう。
 谷は黄葉初期で、風が吹くと落葉が大量に谷に降り注いでいた。ブナ林の落葉は、イワナの産卵がピークを迎えるシグナルである。しかし、ナメコの群生が期待できる倒木では、次につながるマメは数粒に過ぎない。これじゃ、ナメコのピークを読むことすらできない。
▲幼菌
▲傘が開いた成菌の群生 ▲ムキタケ

 奥地の本命ナメコ谷に達しても、ナメコの群生に当たったのは、上の一ヵ所だけ。沢筋の倒木は流水で菌が流されたのか、キノコの気配は皆無であった。ブナ林の急斜面に上がると、ブナの老木が数本、根こそぎ倒れていた。いつもの数百年ブナの倒木に向かうと・・・

 左手斜面からクマ避け鈴に気付いた、母グマが威嚇するような重低音が鳴り響いた。斜面を見ると、先ほど滑り降りたようなクマの真新しい足跡があった。クマから離れるように右手方向に這い上がる。それでも威嚇する音はしばらく続いた。ほどなく、数百年ブナの風倒木に辿り着いた。
 結果に唖然・・・早生のナメコは腐っていたが、その規模がやたら小さい。幼菌に至っては、右の写真のとおり、数粒しか生えていない。これはどう考えても、ナメコは大不作としか言いようがない。万が一、まだ生えていないとすれば、落葉する晩秋の頃に一斉に生えだすのだろうか。これだけは、ナメコに聞くほかない。
▲ブナの幹に生えたブナハリタケ
 ブナの幹に着生するムキタケやブナハリタケの大群生は、全く見られず、箇所数も群生の規模も遥かに小さい。昨年、ナメコが大豊作だったことを考えると、今年は不作でもおかしくないのだが・・・他のキノコまで一斉に不作というのは解せない。もう一度晩秋に歩いて、確かめるほかない。

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