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黒マイタケ大小2株、スワリ黒茶マイタケ大小6株、マメ、小株、スワリ黒マイタケ大小7株、旬のきりたんぽ鍋
 今年のマイタケは凶作かと、半ば諦めていたが・・・やっと出てきてくれた。1ヵ所目は黒マイタケ大小.2株、2ヵ所目は黒茶マイタケ大小6株、3ヵ所目は黒マイタケ大小7株、合計10kg超であった。苦戦が続いていただけに、こんなに当たるとは予想だにしていなかった。上の写真のマイタケに当たった時は、思わずガッツポーズをとってしまった。
 山釣りから帰った翌朝、ナベちゃんから電話があった。太平山系でマイタケを10数キロ採った。直売所にも20kgとまとまって入っているとの情報であった。遅ればせながら出てきたようだ。ならばそれを確かめねばならない。10月1日、朝4時前に家を出発。車止めに着いたのは、5時頃でまだ真っ暗だった。

 明かるくなるまで車の中で待つ。しかし、後続のマイタケ採りの車は皆無。結局、車止めには、私も含めてわずか4台しかいない。帰りは2台。いつもより極端に少ない。それだけ採れないから、来る人も極端に少なくなっているのであろう。杣道を歩きながら、どこから入るか考える。まずは手前の激戦区・数年前に採取したキノコ木に向かう。
▲黒マイタケ

 尾根沿いに数百年のミズナラの巨木が連なっている。けれども、その1本、1本に明瞭なマイタケ道がついている。さらに巨木の根の周りは360度見回りした踏み跡があった。さすがマイタケ銀座だと思いながら、尾根を離れて沢の方向へ下り、数年前に採取したキノコ木に向かうと・・・あった!
 もう少し置けば大株に成長するであろう黒マイタケであった。下から起こすと、大きさの割には意外に重い。1.5kgほどあった。左上にマメが1個生えていたが、これは残すしかない。それにしても幸先の良いスタートであった。2008年にマグレで大当たりしたキノコ木は、数年前に倒れてしまった。1本の木から20kgというのは、恐らく、倒れる前の狂い咲きだったに違いない。
▲キツブナラタケ

 本流に戻り、いつも気になっていた崖地のミズナラの斜面を攀じ登った。危険な場所だけに歩いた形跡は見当たらない。柴をつかみ、3点確保で慎重に崖地をトラバースしながら4、5本探すもなし。崖地の反対側に回り込むと・・・
▲スワリ状態の黒茶マイタケ大小6株

 こんなに大きくなるまで、誰にも見つからずにいたとは・・・マイタケ銀座と言えども、空白地帯は意外にあるものだ。思えば4年前、3時間も尾根と尾根をトラバースしながら下流へと下り、崖地で大量に腐ったマイタケを見つけたことがあった。その場所がどこだっのか、定かでなかったが、どうもこの場所のようだ。

 マイタケ採りで見掛ける雑キノコ・・・ブナハリタケやマスタケ、シイタケは皆無だが、本命のマイタケだけは確実に発生し始めているようだ。
▲ベースは茶マイタケだが、黒も混じっていることから「黒茶マイタケ」と呼びたい

 傘が大きく開いたスワリ状態のマイタケは、焼き物や天ぷらにすれば、形、ボリューム感もあって絶品である。一株、一株、壊さないように慎重に採取する。そして、根の部分についている泥と石突はナイフで切り取り、株全体の泥やゴミを取り除くことが採取のコツである。こうしないと、帰ってから泥が株全体に拡がり、後処理に泣かされるので注意。
 食べるには十分採取したので、下ろうか迷ったが・・・10月はイベントや国民文化祭の取材でスケジュールがビッシリ。なかなか思うように山には来れない。ならばと、再度尾根を上り、次なる尾根に向かった。
▲少ないものの、マメも顔を出し始めた
▲2年前に採取したキノコ木で大小2株採取
▲小株もちらほら見えるので楽しい
▲黒マイタケ大小7株

 最後は本命の尾根を下る。いきなり、スワリ状態の黒マイタケが目に飛び込んできた。根元の下を覗くと、マイタケが根を取り囲むように点々と連なっていた。「ヤッター」と叫び、自然とガッツポーズしてしまった。前回、山釣りで一日マイタケを探し、マメすら見つけることができなかっただけに、感激が大きかった。
 12日前、初めて回った時には何も生えていなかった。それがこんなに大きく成長しているとは・・・気温が高いせいだろうか。いずれにしても、こういうマイタケに当たるということは、最盛期を迎えたサインであろう。
 風呂敷を三枚持参したが足りなくなった。茶マイタケの一部を風呂敷から25リットルのビニール袋に移し、空いた風呂敷の上に採取した大小7株の黒マイタケを並べる。山の神様にマイタケを授けていただきありがとう、と感謝する。しばし、満足のマイタケを眺めながら、ジュースとパンをほおばる。

 マイタケが崩れないように風呂敷に包みきっちり結び、65リットルのザックに入れる。ザックは、ほぼ満杯でズシリと重い。疲れはピークに達していたが、森の恵み・キノコの王様に当たると、不思議と疲れは感じない。食べなくとも、採っただけで元気になる。こんな不思議な魔力を秘めたキノコは、他にない。
▲天然マイタケをたっぷり入れた「きりたんぽ鍋」は絶品!

 採取した当日は、きりたんぽ鍋で決まり。天然物特有の香りとシャキシャキした食感がたまらない。採りたてのマイタケと新米で作ったキリタンポにベストマッチし、この季節限定の絶品の味となる。翌日は、マイタケご飯、お吸い物、天ぷら、マイタケ酒・・・と、マイタケ三昧を満喫したいと思う。

 採って最高、食べて最高、日頃お世話になっている人におすそ分けしても最高に喜ばれる。だから、マイタケ採りは最高なのである。とにもかくにも、ブナ・ミズナラの恵みは素晴らしい。

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