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 空梅雨が続いていたが一転、7月25日、大仙市で堤防決壊による避難指示がでるほどの大雨となった。翌日になると雨も治まり、一転太陽が雲間から顔を覗かせるようになった。こうなると、釣りバカなら「雨後の入れ食い」を連想するに違いない。「雨後」とは言え、大雨の後は水量も笹濁り状態も半端じゃない。釣果だけを考えると、エサ釣りが圧倒的に有利なはずである。しかし、そこをあえて毛バリのみを持参し、釣れるかどうか試験的にチャレンジしてみた。結果は・・・
山釣りでは、重くてかさばる一眼レフカメラから脱却できるか・・・コンパクトデジカメ「キャノンPowerShot G3 X EVF KIT」実写テスト「千秋公園のハス」
 日帰り釣り専門で入渓している岩魚沢は、両サイドから草木が覆い被さり、階段状のポイントが続く。いわゆるチョウチン釣りに最適な小沢である。その岩魚沢をめざして林道に入ると・・・林道の一部が決壊し、車が通るにはギリギリセーフ・・・雨は相当降ったらしい。まず川を流れる水量の多さに驚かされる。

 大雨の後だから、車止めには誰もいない。杣道から岩魚沢を見下ろす。沢全体が白く泡立ち、ゴォー、ゴォーと凄まじい音をたてて流れ下っている。毛バリで釣るポイントなど皆無に等しい流れであった。オモリとエサを持って来れば・・・と、悔やむしかなかった。
 草茫々と化した杣道は、むさくるしく、歩くのが面倒なので早めに沢に下りる。渇水期には、小物しか掛からない下流部だが・・・チョウチン釣りの仕掛けに茶系の竹濱毛バリを結ぶ。ポイントは、わずかな岩陰の淀みだけ。釣る方法はたった一つ・・・毛バリの点釣りしかない。釣りのスタートは、いつもより遅い午前7時頃スタート。
 わずかな淀みに毛バリを垂直に落とし、毛バリを上下左右に躍らせる。すると、白泡の渦の底からイワナが飛び出した。そのほんの一瞬、仕掛けを緩めた後、合わせる。何と一発目で良型イワナがヒット・・・計測すると28cm。

 まずまずだが、くわえた毛バリを見ると、結び目の余った黄色の糸を切るのを忘れていたことに気付く。そんなダサイ仕掛けにもヒットしてくれた。これは、雨後のご利益に違いない。
 釣るポイントは、極端に少ないものの、イワナは毛バリにほぼ100%反応してくれた。雨後の笹濁り状態は、エサ釣りと同じく、イワナの活性度は極めて高いことが分かる。しかし、釣れたのは半分以下。増水時の毛バリの点釣りは、意外に難しい。
増水時、毛バリで点釣りする場合の注意点

 毛バリを淀みに落としただけ、あるいはアクションが下手であれば、簡単に偽エサだと見破られる。毛バリを躍らせるということは、常にラインは張った状態になっている。イワナが浮上するのを見失ったり、ラインを緩める動作が遅れれば、イワナは違和感を感じて毛バリを吐き出してしまう。イワナが水面に浮上するスピードに驚き、思わず早合わせをしてしまってバラスなどなど。
 釣れる確率は、半分以下とは言え、イワナが毛バリめがけて浮上する姿を何度も拝めるだけに、病み付きになるほどオモシロイ。 
 釣れるイワナのサイズは、8寸以上・・・リリースサイズは皆無に等しい。雨後の笹濁り状態になれば、エサとか毛バリとかに関係なくイワナの活性度がピークに達していることが分かる。
▲毛バリを喉の奥まで呑み込んだイワナ
 いつもの核心部は、沢の落差が激しくなるゴーロ連瀑帯からであるが・・・階段状の釜は、全て100%沸騰状態・・・もはや釣るポイントは皆無。時計を見れば、まだ午前10時前、釣り時間は3時間にも満たないが釣果は十分、あっさり竿を畳む。終わってみれば、雨後の増水時でも毛バリで十分釣れることを実感した。
▲エゾアジサイ ▲ノリウツギ
▲リョウブ ▲トリアシショウマ

キャノンPowerShot G3 X EVF KIT

 やっと「山釣り」でも使用できそうなコンパクトデジカメが発売された。現在使用している一眼レフカメラの重量はズームレンズ込みで1,120gに対して、733gと軽いが、コンデジとしてはかなり重い。それでも1型大型センサー、24-600mm相当の光学25倍ズームレンズ(ワイド端F2.8、テレ端F5.6)が搭載されている点がポイント。

 さらに防塵防滴・・・短時間なら小雨程度の環境下でも使用できるので、登山、山釣り、アウトドアに○。細かいことだが、日中でも滝や渓流の流れをスローシャッターで撮影するために必要なNDフィルタ(光量を1/8に減少)が内蔵されている。
ローアングル撮影が可能な可動式液晶。
外付け電子ビューファインダー「EVF-DC1」・・・常時ファインダーを覗いて撮影している者にとっては、外付け方式は×と思ったが、上方向に90度可動するのでローアングル撮影等にすこぶる便利。だから外付け方式は◎。いずれ本機を使いこなすには、可動式液晶より、オプションの外付け電子ビューファインダーの方が必須である。

レンズフィルターΦ67mm、リモートスイッチRS-60E3は、いずれも現在「EOSKiss X7i(580g)+タムロン16-300mm(540g)」で使用しているものを利用できる点も気に入った。
▲千秋公園ハス全景・・・実写テストは全て「AUTO」で撮影(2015年7月30日)
▲逆光撮影・・・コンデジの割には立体感がある
▲アップで撮影すると、背景のボケも美しい
▲ハスの名の由来となっている花床のアップ

 花の中心にある花床は、花後、大きくなってハチの巣に似るので、「ハチス」・・・平安後期頃から短縮され、「ハス」と呼ばれるようになった。光学25倍ズームレンズだから、こうした超アップ撮影がいとも簡単にできる。次回は、夏の山釣りで実写テストをしてみたい。

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