山釣り紀行TOP

 シルバーウィークが終わった翌日(9月24日)、静かさを求めて舞茸谷に向かった。マイタケルートの新規開拓をすべく、これまで全く歩いたことのない斜面を歩いてみた。シルバーウィーク期間中に歩いた痕跡は至る所に見られ、たまに当たっても取り損ないを採っているような価値の低いマイタケが多かった。それでも最後に黒の上質マイタケ(上の写真)に当たったのはラッキーであった。

 マメの株は、いくつか見かけたが、次回につながるような良型サイズはほとんどない。スタートは悪くなかったが、今のところ「豊作」とは言い難い。事実、帰りに出会った二人組は収穫ゼロとのことであった。今後の発生に期待するほかない。
 歩いたことのない急斜面の尾根にとりつく。半枯れのミズナラの巨木を見て回るが、ことごとく踏み跡が確認された。これじゃ勝負にならない。巨木ルートから外れた老木まで下ると、やっとマイタケに出会えた。しかし、株は10株ほどと多いが、いずれも株は小さく、品質も良いとは言い難い。
 こういう小さな株は、当たっても感激がほとんどない。それでも、全く無いよりは、ましである。一株、一株、石突きや泥を削り取って採取する。
 いかにもキノコ木と呼びたくなるような老木があった。けれども左サイドには、マイタケの気配はなかった。右上から回り込んで、根元から見上げると・・・何と、マイタケに気付かず踏んでしまっていた。無残なマイタケの姿を見て、まだまだマイタケセンサーが鈍いことを思い知らされた。
当たり・・・大小6株

 ブナと仲良く仁王立ちしていたミズナラの老木・・・やっと身が引き締まった黒系のマイタケに当たる。まず斜面上部の安定した木の根元にザックを置き、根の左サイドと下側に生えたマイタケを撮影する。まともな株は2株、他の4株は小さな株に過ぎなかったが、激戦区でかつ未知のルートを歩いて見つけただけに嬉しさもひとしおであった。
 もう数日置けば、大株に成長する黒系マイタケ。まだ傘は開き始めたばかりだが、傘が大きく開いたスワリの株より、身が引き締まって美味しい。風呂敷に大小6株を入れ、四隅をしっかりしばって縦長のザックに入れる。
▲ミズナラの巨木  
▲マイタケが生える森の風景
▲ミズナラの葉と幹 ▲キツブナラタケ
▲黄葉し始めたブナ ▲サワモダシ
▲小さなマメ1 ▲これは大株になりそうなマメ2
▲大株を採られた後に、また小さなマメ3が出始めていた。

 同じ木から、時期をずらして二度発生する木もあることが分かる。同じキノコ木といっても十本十色。3〜5年休まないと出ない木もあれば、毎年連続して発生する木、隔年で発生する木もある。私も含めて1週間に1回、あるいは年に2〜3回しかマイタケ採りをしないような人には、マイタケが生える年と採るタイミングを予測することは極めて困難であろう。
当たり・・・黒マイタケ3株

 急斜面の岩場に一際大きな巨木があった。遠くから見ただけでは、草が覆いかぶさっていて見えなかった。もしかして生えているかも・・・急斜面をクマと同じく四つん這いになりながら攀じ登ると、黒の上質マイタケが草の下に生えているのが見えた。この株は、一株に見えるが二株がくっついていたもの。左サイドには、もう一株が生えていた。
 黒系マイタケの中でも質の良いマイタケは、茎が短く、体積の割にはズシリと重いのが特徴。このマイタケに当たっただけで、今日来たかいがあった。新しい風呂敷に潰れないように大事に包み、ザックに背負うと、一直線に沢に向かって下った。
▲下る途中に見つけた小さなマメ4
▲ミズナラの倒木に生えたシイタケ
▲崩壊林道をゆくマイタケマン ▲テンニンソウ

 崩壊林道で山野草を撮影していると、二人組のマイタケマンに出会った。「どうでしたか」と聞くと、「だめだぁ〜、全くゼロ」とのこと。ザックを見ると、確かに軽そうだった。シルバーウィークの5日間は、天候に恵まれただけに例年では考えられないほど人出が凄かった。その直後だけに、「収穫ゼロ」と苦戦するのも良く分かる。ただ救いなのは、小さいながらもマメが幾つか散見されたことである。今後に期待したい。

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