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 9月26日(土)、マイタケの新しいフィールドを開拓すべく、全く歩いたことのない小沢に入ってみた。沢筋にマイタケ道ができていたので、ここも激戦区のようだ。1時間弱歩いてから、急斜面に林立するミズナラの巨木を探し歩く。尾根筋やキノコ木らしき巨樹には、明瞭なマイタケ道ができていた。歩いた痕跡を見れば、半端な数ではない。だから、マメすら見当たらなかったが、マグレで1本の木から7株当たった。
 小さな藪沢だが、 階段状の壺に近づくと、イワナの黒い影が幾つも走った。それが楽しいものだから、マイタケ道ではなく、わざわざ沢沿いに歩いて上流へ。1時間弱歩くと、急斜面にミズナラの巨木が目立つようになる。尾根にとりつくと、明瞭な踏み跡・・・めぼしいミズナラには、ことごとくマイタケ道ができていた。シルバーウィーク期間はもちろん、その後もかなりのマイタケマンが入っていることは間違いない。今日も対岸から仲間を呼ぶ声があちこちから聞こえてきた。
 標高400m〜500mラインにマイタケが生えるであろう半枯れの巨樹が仁王立ちしていた。その巨樹を何十本も探し歩いたが、マメすら見当たらない。このフィールドは、小沢だけに危険は少なく、斜面も比較的歩きやすい。だから訪れるマイタケマンが多いのも容易に推察できる。今日は、収穫ゼロを覚悟し、マイタケが生えるであろうキノコ木の調査に専念するほかないと思った。
▲埋もれ木に群生していたサワモダシ

 サワモダシが至る所に生えていたが、どちらかと言えば腐っているものが多く、手を出さずに写真だけ撮るにとどめた。
▲ツキヨタケの幼菌 ▲ミズナラの樹液を吸うカブトムシ
当たり・・・大小7株

 マイタケへの期待がゼロに近くなった頃、斜面を下り、ミズナラの右サイドに生えていた2株に全く気付かずに下へ。見上げて驚く。マイタケではないか。降りてきた所に2株・・・まずは踏み潰さなかった幸運に安堵する。よくよく眺めると、マイタケの色は保護色に近い。目が悪くなれば、知らずに踏み潰すに違いない。
 ミズナラの真下に来ると、マイタケが根元を取り囲むように生えているではないか。「ヤッター〜!」と心の中で叫ぶ。データを全く持っていないフィールドだけに、マグレ当たりに過ぎない。けれども当たれば何だって嬉しい。マイタケの数より人が多いフィールでも、採り残しはあるのだ。やっぱり諦めてはいけない。ザックを根元の上側に置き、心躍らせながらすべての株を撮影する。マイタケは、何度見ても、撮っても、採っても感動する。中でも、マイタケに当たって撮影する瞬間が、感動のクライマックスである。
▲傘が開いている割には茎が短い黒系の株。
 しばらく好天が続いたので、いずれの株も天日乾燥されたような状態であった。雨が降ると、水分を含み重くなるだけでなく、そのまま背負って歩くと、傷みも早く傘も壊れやすい。天日乾燥したような株は、軽いだけでなく、ほとんど傷むことなく持ち帰ることができるので大変有難い。ちなみにプロは、雨や朝露に濡れた株は、よく水分をきってから背負うという。水分は、天然マイタケにとって大敵である。
 風呂敷の上に置くと、壮観・・・マグレとは言え、良く当たったものだ。周囲に、マイタケ特有の強烈な香りが漂う。その香りに酔いながら、山の神様に感謝、感謝。本日唯一の当たりを目の前にして、大福餅をほおばり、水分を補給する。
 マイタケが生えそうな若々しい老樹が多い。けれども次回につながるマメはゼロ・・・人の多さを考えると、定番のフィールドにはできそうにない。もともと、新しいフィールドを開拓するには、豊作の年でないと成果はあがらない。だから今年は×。今後の課題は、人の出入りが少ないフィールドを開拓することに尽きるが、まずは山を知らないと危険が多過ぎる。来年から、イワナ釣りを兼ねてマイタケ谷の状況調査をしておきたいと思う。
▲乾燥マイタケ

 干して乾燥させると、マイタケが放つ香りも一層強くなる。また旨みも3倍に増すと言われている。調理する時は、水またはぬるま湯で戻す。ただし、「マイタケご飯」は、戻さずにそのまま炊き込むだけでOK。だから乾燥マイタケは、「マイタケご飯」がおススメ。

 ちなみに冷凍保存する場合、天日で乾燥している株は問題ないが、水分を含んでいる株は天日で軽く乾かしてから冷凍すれば、マイタケ特有の香りと風味を損なうことなく保存できる。
 帰路、プロらしき人に話を聞くと・・・シルバーウィーク前の先週は、相当採れたらしい。以降、だんだん採れる量が少なくなり、本日の成果は、黒マイタケ少々と傘が大きく開いたマイタケまで採ってきたという。気温が高いのか、マイタケの成長がやたら早い。わずかだがマメも確認できたという。例年なら、これから本番だが、しばらく苦戦が続くかもしれない。

 ちなみに週間天気予報によれば、最高気温は20度以下と低く朝晩の冷え込みも強くなりそうなので、これまで出てこなかったキノコ木に新たに発生することを期待したい。

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