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 このところ好天が続き、全国的に気温がグングン上昇、真夏日が続いている。まだ5月なのに緑も深く、渓流沿いを彩る草花も春と初夏の草花が混在して咲いている。今年は雪代がほとんどないのに加え、春が短く、あっという間に夏がやってきたような感じがする。イワナもクマも確実に増えてはいるものの、肝心のイワナの食いは、例年と明らかに異なる。
2016年は、親子グマに注意!

 昨年は、ドングリが豊作で、今冬に出産が増えたと予想され、今年は危険な親子グマに遭遇する確率が高いと言われていた。そんな折、早くも岩手県で人身事故が発生した。登山は単独ではなく3人で、かつクマ避け鈴を鳴らしていたにもかかわらず、親子グマに遭遇して襲われ重軽傷を負っている。

 毎日新聞のニュースによると・・・2016年4月24日午前10時40分ごろ、岩手県北上市と西和賀町にまたがる仙人山(約882メートル)を登山中の3人がクマに襲われた。3人は秋田市の60~70代の登山仲間で、この日午前8時半ごろ、北上市和賀町仙人の登山口から入山。標高約700メートルの西和賀町内の登山道で、親子とみられるツキノワグマ2頭に遭遇し、成獣に襲われた。クマよけの鈴を鳴らしながら登山していたという。

 さらにHPを作成している最中に、2日連続でクマに襲われ死亡する事故も発生した。それについては後述する。
▲早くも新緑ではなく深緑  ▲タチカメバソウ 

 過去の人身事故の事例に学べば、複数で入山し、かつクマ避け鈴をつけていても100%安全とは言えない。今回は、クマ避け鈴に加えて、クマ撃退スプレーを腰に下げて入渓した。まだ5月だが、ブナ帯の緑は、夏の深緑を思わせるほど深くなっていた。朝は冷え込みが厳しかったが、気温はグングン上がり、昼近くになると真夏を思わせるほど暑かった。
▲ブドウ虫にヒットした良型イワナ

 イワナは渇水の瀬尻を盛んに走り回る姿がやたら目についた。魚影は確実に濃くなっている印象を受けた。本日は快晴・・・気温が低い早朝は、エサ釣りでもヒットしたが、気温が上昇するにつれて水面を飛び交う虫も増え、次第にエサに対する食いが鈍くなっていった。
 朝食を食べた後、仕掛けをチョウチン毛バリに変更した。しかし、エサ釣りのクセが抜けず、合わせのタイミングがなかなかつかめない。早合わせで失敗したり、やっとヒットしたものの手前まで寄せては落として逃げられるパターンが続出。それでも毛バリに反応して水面下に出てくるイワナは見えるので、オモシロイのだが・・・。 
▲春シイタケ・・・傘が平らに開いたジャンボシイタケ
▲傘が開き旬を過ぎたシドケ ▲茎が美味しいアザミは食べ頃だ
 相棒は終始エサ釣り・・・気温が25度前後を過ぎた辺りから、イワナはエサに反応しなくなった。夏バテなのか、イワナの食いは鈍くなっていった。毛バリには、ほとんどのポイントでイワナが反応するものの・・・快晴でかつ渇水で流れに力がないから、イワナに偽物だと見破られる確率が高かった。
▲エサ釣りにヒットした良型イワナ。以下に竹濱毛バリにヒットしたイワナを掲載。 
 チョウチン毛バリで、合わせ損なったイワナは15匹は下らない・・・何とも情けないほど、イワナに遊ばれてしまった。毛バリにイワナが反応して水面下に出てくるのは見える。「イワナは遅合わせ」のセオリーどおりやってもなかなかヒットしない。恐らく、毛バリが偽物だと見破られているに違いない。マグレでヒットしたのは、5匹に1匹程度に過ぎない。逃がした魚は大きいというが、いずれも8寸~尺ほどの良型ばかり。それでも魚影を確認できたので、次回の楽しみにとっておいたと思えば心も軽くなるのだが・・・。
▲いつも6月頃に咲くオサバグサが既に満開に 咲き誇っていた。

 この谷には、いつもヤマワサビの採取を兼ねて入渓しているが、今年ほど初夏の訪れの早さを感じたことはない。例年なら源流部には残雪があり、キクザキイチゲやエゾエンゴサク、エンレイソウ、オオバキスミレといった春を告げる草花が目立つが、今年は全く異なる。

 シラネアオイやヤマワサビの白花は、既に旬を過ぎ、6月頃に咲くオサバグサやスダヤクシュ、サンカヨウなどの草花と、5月頃に見られるオオバキスミレやオオカメノキ、タチカメバソウが混在して咲いている。誠に不思議な光景だが、なかなかお目に掛かれないオサバグサの花がたまたま満開だったから、源流部にたくさん自生していることに初めて気付かされた。
▲スダヤクシュ ▲サンカヨウ
▲オオバキスミレ ▲オオカメノキ
▲コンロンソウ ▲ユキザサ
▲クマの糞 ▲上二又で昼食

 上二又の右岸はネマガリダケが密生している。下流ではタケノコがちらほら見えたが、源流部はまだ早いようだ。この周辺を縄張りにしているクマの糞を見ると、黒く繊維質が目立つことから、タケノコはまだ食べておらず、山菜類の草を食べているのが分かる。 この暑さなら、今頃草やぶに埋もれて昼寝でもしていることだろう。クマの糞の傍らだが、お湯を沸かし、昼食とする。
▲ジッと動かず寄ってくる虫を待つアズマヒキガエル ▲ツボミが膨らみ始めたタニウツギ
▲キリの花・・・葉が開く前に淡い紫色の花を多数咲かせ、遠めでも良く目立つ。
 「イワナも増えているが、クマも増えている」・・・昨年はドングリが豊作で、危険な親子グマに遭遇する危険も高まっていた。そんな矢先、鹿角市の山中でタケノコ採りの男性が相次いで襲われ死亡するという人身事故が連続して発生、全国ニュースでも取り上げられた。人を恐れないクマが里クマ化していると指摘されて久しい。恐れていたことが現実になった印象を強く受ける。

クマに襲われ死亡か(秋田魁新報2016年5月22日)

 5月20日朝にタケノコ採りに出掛けたまま行方が分からなくなっていた79歳の男性が、鹿角市十和田大湯字熊取平の山中で遺体で発見された。かまれたり、爪で引っかかれたような痕があったことから、クマに襲われた可能性があるとみて死因などを調べている。

鹿角市山中で2日連続 クマに襲われ死亡か(秋田魁新報2016年5月23日)

 5月22日、鹿角市十和田大湯の山中でタケノコ採りをしていた78歳の男性が遺体で発見された。頭や腹には引っかかれたような傷が複数あり、クマに襲われたとみられる。妻と二人で入山し、熊取牧場近くの空き地に車を止めて午前5時頃からタケノコ採りを始めた。いったん2人で笹薮から出て、採ったタケノコを妻に渡した後、再び笹薮の中に入った際にクマに遭遇したという。

 「クマ、クマ」との叫び声を聞いた妻が笹薮の中へ様子を見に行くと、夫が木の棒を持ってクマと向き合っていた。妻は夫の指示を受けて逃げ、付近でタケノコ採りをしていた人に助けを求めた。その後、元の場所へ戻ったところ、夫の姿はなかっという。遺体は、駐車場の空き地から北西に約200mの笹薮の中で見つかった。21日に鹿角市の男性の遺体が見つかった場所は、そこから南に約500mの地点だった。

 私が作成した「ツキノワグマの生態と被害防止対策」のページへのアクセス数は、5月22日2,193、5月23日は夕方までに5千アクセスを超え、その関心の高さが伺える。
野鳥撮影その3
ヒガラ(仁別国民の森) 全長11cm(スズメ14cm)
  • 喉の黒い模様は、シジュウカラに似ているが、黒いネクタイはない
  • 1年を通して山地に棲むカラ類
  • 頭には短い冠羽がある。
  • 「チチーチチーチチー」とさえずる。地鳴きは「ツィッツィッ」
  • 昆虫の幼虫や成虫、秋には木の実を好んで食べる
キビタキ(秋田市植物園) 全長14cm(スズメ14cm)
  • 夏鳥として落葉広葉樹林に飛来。
  • 鮮やかな黄色と橙色、さらに腰を膨らませてさえずる声も美しい
  • 昆虫をフライングキャッチ。
  • 「ピーリピッ、ポピピィ」「ポッピピピリ」を繰り返す
クロツグミ(秋田市植物園) 全長22cm(スズメ14cm)
  • 夏鳥。体は黒、腹は白く、黒の斑が点在。
  • 山地の林に住み、オスは美しい声でさえずる。「キョロッキョロッ、キョコキョコ」。
コムクドリ(大潟村) 全長19cm(スズメ14cm)
  • その名のとおりムクドリより小さい鳥で、淡い色の部分が多い。
  • オスは、頬が赤茶色で翼に白斑がある。メスは、頭と下面全体が白っぽい。
  • 「ピピ キュルキュルキュル」「ピキュル ピーキュルキュル」
  • 枝から枝へと移動しながらクモや昆虫を捕食。
カラスのヒナ4羽(大潟村)
  • 高い木の梢に小枝で椀型の大きな巣をつくる
  • 産卵期は3~6月、卵数3~5個
  • 抱卵日数20日程度、巣立ちまでの日数約30日
トビの子育て・・・1羽のヒナが見えるが、親鳥はまだ抱卵しているのか微動だにしなかった。(大潟村)
  • 俗称トンビと呼ばれている身近なタカ類
  • 成鳥はほぼ全身が焦げ茶色で褐色斑がある
  • 大木の枝上に枯れ枝を積み重ねて皿形の巣をつくる
  • 産卵期4~5月、卵数2~3卵
巣箱を利用しているシジュウカラ(大潟村) 全長15cm(スズメ14cm)
  • 喉から胸の黒いネクタイがトレードマーク。頬は白い。
  • 黒ネクタイは、オスが太く、メスが細い。
  • 木の幹や枝を移動しながら、昆虫やクモを捕食。
  • よく巣箱を利用する。
虫をつかまえたエナガ(小泉潟公園) 全長14cm(スズメ14cm)
  • 体が丸くて可愛い小鳥。短いクチバシ、長い尾。
  • 数羽の群れで行動
  • 「ジュリジュリ」と濁った声で鳴く
  • 木の幹や小枝にぶら下がって、小さな昆虫や卵を食べる
ニホンリス(トリミングなし、クリプトンの森)
新緑とキジ(トリミングなし、高清水公園)

 野鳥たちとの間合いに慣れてくると、トリミングなしでここまで撮れる。しかも全て手持ち撮影で撮っているが、ほとんどブレることなく撮れる。Canon EOS7DMark2+EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMの進化は、素晴らしいのひとこと。ただ、緑が深くなるにつれて「鳥の声は聞こえど姿は見えず」になる。従って、これからは秋の木の実に群がる野鳥をターゲットに撮ってみたいと思う。

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