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2016マイタケ採りPART5

 2016年10月7日、好天に恵まれたので相棒のダマさんと別水系のマイタケ山に向かった。昨年歩いた尾根を上ったが、マイタケマンの踏み跡は凄まじく、マイタケの気配はゼロ。時たま採り残しの小株があるのみ。やむなく、誰も歩いていない笹藪が密生する斜面を歩き、やっと5キロほどの大株に当たった。けれども次回につながるマメやサワリはほとんど見当たらなかった。今年のマイタケは、出るのが遅かったが、終わりは例年と同じということか。
 急峻な尾根筋にミズナラの巨木が多いマイタケ山。右側に突き刺さるように倒れた倒木を見れば、斜面の急峻さが分かる。こうした谷は、倒木に生えるナメコやサワモダシはほとんど期待できず、もっぱら急峻な崖や尾根筋に林立するミズナラの巨木をターゲットにしたマイタケ山であることが分かる。
▲ダイモンジソウ ▲ミズのコブコ 
▲エゾリンドウ ▲毒キノコの筆頭・ツキヨタケ
 昨年歩いた尾根筋を再び歩いてみたが、樹齢数百年は経たであろうミズナラの巨木群は圧巻である。しかし、めぼしいキノコ木には、マイタケマンたちが根元を360度何度も歩いた跡がはっきり残っていた。だから、マイタケの気配は全く感じられない。昨年、大量にナガレていたキノコ木に向かうと、下側に採り残しの小株が2株あるのみ。ここも「マイタケ激戦区」・・・このまま、歩きやすいルートを歩いていたのでは勝負にならない。
 歩きやすいマイタケルートから、最も困難なチシマザサが生い茂る藪こぎルートに変更した。当然のことながら踏み跡はゼロ。チシマザサがビッシリ生えている緩斜面は、どんなに巨大なミズナラでも陽当たり、風通し共に悪く×。同じ藪でも、チシマザサの密度がやや薄い斜面のミズナラをトレースしていると、根元の窪みにやっと黒マイタケを発見。その手前の草地にもう一株あったが、保護色で危うく見失う所であった。 
 やっと黒マイタケを2株ゲット。その後、右手の沢に向かって尾根を下ったが、ほとんどブナばかり。沢を下って、ミズナラの巨木が連なる尾根にとりつくと、またまたマイタケマンの踏み跡があった。尾根の中間部まで来ると、ブナ-チシマザサ群落へと変わる。途端に踏み跡が消えた。ここからミズナラが消えるので再び沢へと引き返しているようだ。

 我々は、踏み跡が消えたのは幸いと、藪こぎを厭わず上り続けた。それにしてもブナばかりが目立つ。それでも諦めずに上り続けた。やっと笹薮の向うにミズナラの巨木が見えた。近付くと、巨大な株が見えた。
 黒ではないが茶系の大株。右下の笹薮を歩いていたダマさんに向かって「あったぞぉ~」と叫ぶ。傘が開き過ぎかと思ったが、キノコバエは全く飛んでおらず、傘も茎もしっかりしたスワリの株であった。周囲は密度の薄いチシマザサ群落だが、この巨樹の周囲だけは笹薮がなく、陽当たり、風通し共に良好な環境であった。
 マイタケ激戦ルートでは、決してお目にかかれない大株・・・誰も歩かないルートだからこそ、スワリの状態まで成長できたことは明らかである。エネルギーが消耗する藪こぎをしながら散々探し回っただけにヘトヘトだったが、この大株で疲れが一気に吹き飛んだ。マイタケ採りは、苦労と感激の落差が一際大きいだけにオモシロイ。
 マイタケの大株を採る感激のクライマックスを撮る。背後が笹薮であるのに注目。マイタケ採りは、一般的にこんな笹薮は歩かない。当たる確率は極めて低いからだが、マイタケ激戦区では、こういう所でないと大当たりはないに等しい。
 大株を手に持って記念撮影。 
 一番大きな風呂敷を広げ、その上に大小3株のマイタケを置く。大株は撮影した後、割って二人で分けたので正確な重さは分からないが、私が持参した分割株だけで3キロほどあった。だから合計5キロほどの株ではないかと推定。今回も黒ではないが、前回の4キロの大株を上回ったことは確かであろう。それにしても黒の大株に当たらないのは何故だろうか。それだけが心残りである。

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