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2016マイタケ採りPART6

 これまで一度も歩いていなかった奥地のキノコ木ルートを歩いてみた。大量にナガレた跡を見て、もう一週間早く来るべきだったと悔やむ。それでも何とか4キロほどの大株に当たる。しかし黒ではなく茶マイタケ・・・喜びも半減する。黒の株は、傘は開いているものの全て小株ばかり。新しい芽はなく、素人マイタケ採りは、そろそろ終止符を打つべき時であろう。 
 10月8日昼から夜にかけて降り続いた大雨の影響で増水したマイタケ沢。午前5時半、車止めにはわずか5台しかない。「おはようございます」と声をかけると、年老いたマイタケマンは「川、渡れるべがや」と聞くので、「流れが澄んでいるので大丈夫じゃない」と答える。 
 真っ直ぐ歩いて2時間弱、今年初めてのキノコ木に向かう。ミズナラの倒木に傘が大きく開いたシイタケ、ちょうど食べ頃の7~8分開きのシイタケも生えていた。近くのブナの倒木には、紛らわしい毒キノコ「ツキヨタケ」がビッシリ。この二種は、生える木がブナとミズナラの二種に棲み分けて生えているように思う。 
▲ナガレ1・・・根の周りを取り囲むように生えた大量のマイタケが全てナガレていた。先日の大雨で破壊・流出し、見るも無残な姿に。
▲ナガレ2  ▲ナガレ3・・・傘も茎もボロボロ
▲ナガレ4・・・大株だが大雨で半分解けたような状態に。

 こうも連続、ナガレている光景を見るのは初めて・・・「2016マイタケ採りはTHE END」と言っているような光景に愕然。それにしてもモッタイナイ!
▲傘が開いたマイタケ
▲キノコ木の根に腰を下ろし、マイタケ山を望みながら水分を補給する。
▲ブナの幹に着生したヌケオチ(エゾハリタケ)の大株が二つ

 奥山のブナ林でしかお目にかかれない不思議な食用キノコ。それにしても見事な株である。手が届かない高い所に生えているので、こうした若いものは採取が極めて難しい。雪が降る頃、傘が大きく開き腐ったような状態になるが、昔から年を取り次第柔らかくなり、美味くなるきのこと言われている。雪の重みで落ちたところを採取したことから「ヌケオチ」・・・マタギは、春グマ狩りの際に雪の上に落ちたヌケオチを拾うことがあるが、それが一番美味しいという。 
 期待した巨樹のキノコ木に向かうと、傘が開いた黒の小株がたったの一株。これまで最高の黒マイタケを採取したキノコ木だが、休む年数が長過ぎる。誰かに採られているのだろうか。キノコ木に聞いても返答なし。 
 サワモダシは散見されるが、腐ったものが多い。まだ爆発するような気配は見られない。ミズナラの根元に生えるキツブナラタケは皆無・・・夏の高温少雨が影響しているのだろうか。
 久しく生えていなかったキノコ木に向かうと、根の下側に傘が大きく開いたスワリの大株が生えていた。少し開き過ぎの感はあるが、傘も茎もしっかりしているので採取する。下から壊さないように慎重に起こし、両手で持ち上げるとズシリと重い。 
 大きな風呂敷に大小3株を入れて記念撮影。総重量は5.5キロほど。荷が一気に重くなったので、帰りの下流方向に向かう。めぼしいキノコ木を見ながら下ったが、新しい芽は皆無・・・今年のマイタケは終わりのようだ。 
▲ミズナラの巨樹に生えたマスタケ

 マイタケ採りは、危険かつハードな歩きを強いられるが、それ以上に見つけた時の感動が大きい。だから、道なき急斜面を不思議なほど歩き続けることができる。さらに頭を使う。刻々変化する天候と過去のデータを突き合わせ、その日に歩くルートを決める。そうすることによって当たる確率は高くなる。年々気力、体力が低下するジジイになると、これほどボケ防止、気力・体力・健康維持に最適な趣味もないなと思う。マイタケに感謝、マイタケ山に感謝である。   

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