痩せたイワナの謎
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5月下旬、6名のパーティで源流へ。5月は好天が続いたが、久々に雨男の〇〇ちゃんが参加したら、3日間とも雨にたたられてしまった。それにしても今年は残雪が多い。雪代はまだ続いており、源流部は落果昆虫が少ないようだ。イワナは、頭だけがデカク、痩せた個体が多かった。その理由は、謎である。 |
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雪渓が残る渡渉点で遅い朝食をとる。手前の伐採跡地でワラビは採れだが、チシマザサ群落ではタケノコの姿が見えなかった。杣道沿いの草花は、オオバキスミレ、オオカメノキ、ムラサキヤシオツツジ、サンカヨウ、キバナイカリソウ、ミヤマカタバミといった新緑初期の花が目立った。 |
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▲オオバキスミレ |
▲オオカメノキ |
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▲ムラサキヤシオツツジ |
▲サンカヨウ |
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▲キバナイカリソウ |
▲珍しいチシマザサの花 |
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▲モミジイチゴ |
▲オオタチツボスミレ |
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- ゼンマイ・・・雪が消えてから半月余りで芽を出してくる。シラネアオイの花が咲き、雪崩斜面の腐葉土にはウドが次々と芽を出し始めていた。
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▲シラネアオイ |
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▲ウド |
▲食べ頃のウド |
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- ヒメアオキ・・・ブナ林の日陰になる林床に自生し、エゾユズリハやユキツバキなど、雪国に適応した常緑地這植物である。杣道沿いに赤い実をつけた雌株とチョコレート色の花を咲かせた雄株があちこちに散見された。
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- 倒木が売るほどある左岸の台地をテン場とする。背負ってきたワラビは、先端のホダを取り除き、大鍋に入れて重曹をふりかけ、熱湯を注いで蓋をする。一晩おけばアクは完璧に抜けるが、今晩食べたいので、釣り終了後に渓流の冷水にさらしてアク抜きをする。
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- 釣りは、上流班と下流班に分かれる。雪渓が残る小沢を釣り上がるも、数日前に釣り人が入ったようで、イワナの型がワンランク、ツーランク小さい。
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- すっかりサビはとれて透きとおるように美しい魚体だが、サイズに不満が残る。
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- 異様にお腹が膨らんだイワナが釣れた。腹を裂き、胃袋を開くと・・・
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- 胃袋がはちきれんばかりに、緑のイモムシがビッシリ入っていた。谷を覆い尽くす広葉樹のトンネル・・・その若葉を食べるイモムシが大発生しているようだ。大量のイモムシは全て未消化、短時間で食いきれないほど大量に落下したようだ。イワナ沢の魚影の濃さ、成長の速さに納得。
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- サルメンエビネ・・・まだツボミ状態であったが、これから一気に花開くであろう。エビネに比べると、花のつき方がまばらで、一つ一つの花が大きい。
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- サワモダシ(ナラタケ) ・・・タケノコシーズンと、秋の二回発生する。崩れやすいキノコだが、ブナ帯の食用キノコの中では一番好きなキノコだ。
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- ワラビ・・・源流には、さすがに生えていないので、林道を走る途中で採取。ワラビ本来のヌメリと風味を味わうには、おひたしが一番。また、独特の粘りを生かすには「たたき」が絶品だが、この二つを存分に味わった。
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- 唐揚げ・・・イワナの皮とアラの唐揚げ。ウドの軟らかい先端部を油で揚げる。
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- 山釣り定食・・・イワナの刺身、唐揚げ、アイコ・シドケ・ワラビのおひたし、ミズの塩昆布漬け、ワラビたたき、ウドの生食と天ぷら、ヤマワサビなど。またまた飲み過ぎてしまい、翌日は二日酔い状態・・・反省はサルでもできるのだが・・・。夜半から降り始めた雨は朝まで降り続く。
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- 痩せたイワナ・・・二日目は、杣道を1時間ほど歩き、一気に源流へ。良型が釣れるものの、頭だけがデカク、痩せたイワナが目立つ。
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- 痩せたイワナその2・・・オスらしく精悍な顔をしているが、魚体は痩せている。
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- ブナの原生林地帯・・・源流奥地は、森林軌道時代の伐採から逃れた希少な原生林地帯。樹齢200年~300年の巨樹が林立している。見上げては、拝みたくなるようなブナの神木が多い。
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- 柴ちゃんが釣り上げた31cm・・・竿が折れるかと思うほど、激しい引きを見せたが、何と針は腹に刺さっていた。これまた頭だけが極端にデカク、魚体は痩せている。エサ不足なのか不明。
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- サビイワナ・・・顔は黒く、まだサビがとれていないものがほとんど。標準的な魚体だが、こういうイワナは稀であった。
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- 昼食はシドケ入りラーメン・・・ラーメンを完食した後、熱いコーヒーを飲む。副食用のパンや大福、チョコをテン場に忘れてきてしまった。釣り上がっている時はいいのだが、ハードな下りになると、一気にガス欠状態になる。
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- 痩せたイワナの謎・・・源流部一帯はブナの原生林地帯だが、イワナはなぜか一様に黒くサビつき、魚体は痩せた個体が多い。このちぐはぐな現象は理解に苦しむ。その理由は、数年間調査しないと分からないだろう。
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- 茎が太いシドケ群落・・・おひたしと天ぷらが定番だが、漬物も美味い。下界では、キャベツ、キュウリ、カブなどの野菜と組み合わせて一夜漬けにすると、シドケの香りが野菜に移り、大変美味しい漬物になる。
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- エゾユズリハの大群落・・・雪国のブナ帯に適応した常緑地這植物で、背丈が低いのが特徴。ブナの葉は薄く、林内は比較的明るい。それがために林床には様々な植物が生え、生き物の多様性を支えている。
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- ガス欠・・・帰路は、テン場までまっすぐ歩いて2時間余りかかる。汗は全身から噴出す。二日酔いのアルコールも全て体外に排出され、休むたびに大量の水をがぶ飲みにする。それでも足元はフラフラ・・・明らかにガス欠状態だ。テン場に忘れてきた大福やチョコが頭をかすめる。
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- テン場に戻ると・・・まずは熱いコーヒーと一緒に、大福をほおばり、チョコを食べ、甘いパンをたいらげた。下界では、ガス欠状態を経験することは皆無だが、山では度々経験する。「食べないと動けない」という現実を、頭ではなく、体で感じることは貴重だ。なまった身体を限界まで追い込み、歩き続けることは、とてもつらいが、衰えゆく身体にはすごぶる良い。
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- 天然庭園を借景に乾杯・・・緑滴る森と水の庭園を借景に、有り余るほどの山の幸を肴に飲めば、誰だって病みつきになるであろう。
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▲ミヤマカタバミの群落とユキザサ、ツクバネソウ
- タケノコ採りの女性死亡・・・2017年5月27日、仙北市田沢湖玉川の山林でタケノコ採りをしていた女性(61)がクマに襲われ、死亡が確認された。被害者は、クマ避け鈴を2個つけて入山していたにもかかわらず、クマと遭遇し襲われた。死因は出血多量で失血死。
- 人を恐れなくなったクマに対しては、音で自分の存在をアピールしても効果がないと推察される。また、残飯などに餌付いたクマに対しては、クマ避け鈴が逆効果になる事例も少なくない。昨年から続く人身事故に学べば、クマとの遭遇を回避する対策だけでは不十分であることは明らか。クマと遭遇した場合、あるいは襲われた場合も想定し、クマ撃退スプレーを持参するなど、これまで以上に「積極的な被害防止対策」が必要である。
- 今年のタケノコ採りは最も危険・・・昨年からクマによる死亡事故が5人と、異常事態が続いている。それはいずれもタケノコ採りに集中している。今年の6月は、子別れと交尾期が重なるので、最も危険。これまでの常識が通用しないことを肝に銘ずべきである。
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