2017ブナ帯のナメコ採り
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2017年10月28日(土)、ブナ帯のナメコ山に向かった。今年の記録的大雨の影響は、倒木に生えるキノコが大打撃を受けている。特に沢沿いの湿った場所を好むナメコ木は、大洪水の影響が極めて大きく、「皆無」の状態であった。ナメコが生えているキノコ木は、全て沢から離れた斜面に限定されていた。今回は、奥地のブナ原生林地帯をくまなく探ったが、生えているナメコは、極めてまばらで、総じていえば「不作」。腐ったナメコも多々見られたので、第一次発生期は終わり、第二次発生期に入っていた。落葉後の第三次発生の期待は薄いので、今年のナメコ採りはこれで終了になるであろう。 |
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- ブナ帯の森は、黄葉の最盛期が終わり、ブナの葉は黄色から褐色へと変化。風が吹く度に微かな音を立てながら落葉し、見上げると青空が透けて見えるほど落葉している。まさに晩秋のナメコ採り。
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- 1時間ほど歩き、左岸の枯れ沢のナメコ木に向かう。倒木の横にブナハリタケ、その下側に傘が開いたナメコが生えていた。しかし、例年より量が少ない。
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- 今日は、 先行車が1台、奥地に向かう途中でナメコを見つけて採っているうちに、もう一人が追い越して奥地に向かった。いつものコースは諦め、一気に奥地のブナ原生林地帯をめざすことにした。
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- 杣道から沢に降りる地点に、数百年ブナの倒木が沢に向かって突き刺さるナメコ木がある。最も期待していたキノコ木だが、下側は大洪水の影響か、ナメコの気配は「皆無」。大洪水の影響を免れた上側にナメコが生えていたが、例年より量は激減している。
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- 沢に向かって落葉するブナとヤマモミジの葉。見上げると・・・
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- ブナの黄葉は、大半が落葉し、雲一つない青空が透けて見える。
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- これまで最も実績のあるナメコ沢に入る。沢を塞ぐように倒れていたブナの巨木には、キノコの気配がゼロ。沢から遠く離れて倒木にやっとナメコを発見したが、極めてまばらにしか生えていない。毎年、感動のナメコの群生を拝んできたが、今回は期待できそうにない。
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- ムキタケその1・・・ムキタケも出始めたが、重いので撮るだけにとどめる。
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- 200年~300年ブナの巨木が林立する原生林地帯にやっと辿り着く。思わず拝みたくなるような神木が多い。当然のことながら、寿命尽きて倒れたナメコ木も多く、ブナ帯のナメコ採りの核心部である。
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- 心臓破りの急斜面を上っていると、やっと絵になるナメコの群生に出くわす。このところ好天が続いていたので、ヌメリ滴るナメコではなく、やや乾燥気味であった。乾燥したナメコは、一見美味しそうに見えないが、水に浸すとヌメリ滴るナメコに戻るので問題なし。
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- 苔生す巨樹と大半落葉した森・・・ブナ帯の森が落葉すると、ナメコ木に太陽の光や木枯らしの風が良く当たるようになるので、ヌメリ滴るナメコは、「乾燥ナメコ」に変身する。
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- 数百年ブナが倒れた斜面・・・この一帯は、ナメコの菌が多い。長年お世話になったナメコ木は、朽ち果て、ナメコの気配がほとんどなくなった。今回は、何と「皆無」の状態。新旧交代の時期にさしかかっているとはいえ、こんなことは初めてのこと。やはり不作。
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- 埋もれ木のナメコ・・・褐色の落葉とナメコの傘の色は、まるで保護色のようで紛らわしい。ナメコが不作で、まばらにしか生えていない年は、こういうナメコは見失い、足で押し潰してしまう場合もある。
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- 毎年お世話になっているナメコ木・・・かなり朽ち果てつつあるが、やっと満足するナメコを採取。もう1~2年もすれば、この木も発生しなくなるであろう。 車止めからここまで、真っ直ぐ歩いても3時間はかかる奥地である。そんな奥地まで歩かないと満足したナメコが採れない。
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- 傘が開いたナメコの成菌・・・傘裏をみれば褐色に変色している物もある。食べるには問題ないが、品質はCランク。傘裏が白いものだけを選んで採取する。
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- 長年お世話になっているナメコ木・・・朽ち果て苔が生えてきているが、今年も何とか生えていた。そのど根性に驚かされる。一帯には、新たに倒れたブナの倒木が目立つようになった。ここも新旧交代の時期にさしかかっている。もう数年経てば、ナメコの全盛期が訪れるであろう。
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- 真新しいクマの爪痕・・・数百年ブナの幹に、つい最近上り下りした爪痕がいくつも刻まれていた。上を見上げると・・・
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- クマ棚・・・今年、ブナの実を食べたクマ棚である。クマは、実のなった枝を手繰り寄せて折り、食べ終わった枝を自分の尻に敷く。次第に鳥巣状のベットになる。これをクマ棚と呼び、その上で眠ることもある。今年はブナの実「凶作」と言われているが、地域差が著しく、豊作の場所もある。だからクマ対策は、県内一律に考えるのではなく、地域差を考慮する必要がある。
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- かなり枝を折ったらしく、空が丸見え・・・今年は、里でのクマの目撃が千件を超え、500頭以上が捕獲されている。クマ騒動が勃発した昨年の記録を次々と塗り替え過去最多を記録。ある人は、奥山のクマが一斉に里に下りてきているのではないかという。しかし、奥山にもクマの痕跡は多いので、クマが過密状態になるほど増え、奥山からはじき出されたクマが里へと生息域を拡大していると考える方が妥当であろう。
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- クマがブナの実を食べるために折った枝が散乱・・・クマ棚の下を見れば、クマが枝を折って下に落とした残骸が到る所にあった。クマは、クマ棚をつくるだけでなく、鈴なりに実をつけた枝を折り、下に落としてから食べる場合も少なくない。ここから50mほど離れたブナ林の下には、凄まじい数の枝が散乱していた。恐らく親子グマの仕業であろう。
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- 採ったナメコの処理・・・ナメコは、三度ほど水洗いした後、傘が開いた成菌、幼菌とサイズ別に分けて保存する。幼菌はおろし和え、成菌はナメコ汁、納豆汁、鍋物、うどん・そばの具などに利用している。
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- 天然ナメコのおろし和え・・・ナメコの幼菌を熱湯でさっと湯がいた後、冷やして水を切る。大根おろしは、細い根元側をすりおろし、ザルに入れて水を切る。茹でたオクラとシラスを入れると、さらに美味しくなる。これをポン酢で和えると、出来上がり。ナメコづくしで一杯やれば、ブナ帯の恵みの素晴らしさが骨の髄まで沁みる。今年も、ブナ帯の恵みを授けてくれた山の神様に、感謝、感謝である。
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