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2018最後の山釣り~マイタケ豊作か?

 9月上旬、活発な秋雨前線の影響で3日間とも、警報が出るほどの大雨に見舞われた。それは事前に予想していたので、テン場は崩壊林道の途中に構えた。1日目は、何とかイワナ釣りができたが、二日目は大雨が降り続き、釣りどころではなかった。そんな中、マイタケ採りの人たちが何人も奥山へと向かって行った。帰りの膨らんだ荷をを見れば、ほとんどの人が推定20キロ前後は背負っている。まだ出だしにもかかわらず、「今年は豊作」 と言わんばかりの光景に驚かされた。
  • 最後の山釣りを9月上旬にセットしたのは、マイタケ採りが始まる前との前提であった。昨年の記録的大雨で、林道はかなり手前で崩壊したままである。その車止めには、早くもマイタケマンたちのバイクが何台も置かれていた。雨の中、林道を歩いていると、バイクに乗ってマイタケの様子を見に行く人とすれ違った。それは、早くも「マイタケフィーバー」が始まっている序章であった。 
  • テン場の選定・・・崩壊林道にテントを張る場合、雨でも水の確保ができる小沢が近くにあること。焚き火用の薪に適した倒木があること。大雨でも安全で、かつテントが張れる平らな場所があること、の三点が必須である。その三条件を満たす場所は、車止めから約5キロ地点にあった。テントとブルーシートを張り、ブナの倒木を伐って薪を集める。
  • 雨は止むことなく降り続いていたが、午前10時過ぎ、釣りに向かう。 
  • 雨のため、釣りに関する写真は皆無。左岸から流入する岩魚沢に向かう。階段状のポイントは、増水で渦巻き、ポイントは少ない。その少ない大場所のポイントでは、ほぼ100%釣れた。ただし、サイズに不満が残った。十数匹キープした時点で竿を畳む。
  • 帰路、アップダウンが続く杣道を歩いた。歩く人が少ないせいか、杣道はヤブと化していた。さらに雨で泥の斜面は滑り、殊の外体力を消耗した。崩壊林道まで出ると、マイタケ採りのバイクはなかったので、マイタケがどれだけ採れたかは不明。
  • 二日目・・・対岸の小沢に入る予定だったが、雨足はさらに強まり、白波踊る濁流と化していった。もはや釣りどころではない。
  • 焚き火を囲み、コーヒーを飲む。ブルーシートを打つ雨の音を聞きながら前方を見ていると、バイクに乗ったマイタケマンが奥地へと向かって行った。「同じキチガイでも、上には上がいる」と思いながら見ていたが、一人や二人じゃない。さらには、車止めから歩いて一番奥地のマイタケ場に向かう強者二人組もいた。
  • 聞けば・・・もうマイタケは出ているとのこと。今年の夏は例年になく高温が続いた。さらに台風でキノコ木が刺激を受け、マイタケ菌が活性化するとともに、恵みの雨で一気に出ているようだ
  • イワナ釣りができないので、雨の合間を見て草木の撮影を楽しむ。
  • オオバクロモジの実・・・黒く熟し始めている。 
  • ヤマモミジの翼果 
  • トチの実
  • エゾアジサイ・・・装飾花と実
  • ヌルデの実 
  • ホツツジは満開
  • ツリフネソウ
  • キツリフネ
  • ハンゴンソウ
  • サラシナショウマ 
  • キンミズヒキ
  • ノブドウ
  • マタタビの実・・・果実は生でも食べられるが、塩漬け、砂糖漬けにしたり、虫が寄生した虫こぶを生薬や薬用酒として珍重される。
  • ノリウツギ・・・装飾花と実 
  • タラノキの黒い実 
  • テンニンソウ
  • ヌスビトハギ 
  • ミゾソバ(通称・牛の額)
  • タニウツギの実 
  • ミズのコブコ・・・9月、カモシカはミズのコブコだけを選り分けて食べている。だから、ミズの茎より、このコブコ(実)が数段美味い。先端部についているコブコだけを摘み取り、葉の部分は捨てて調理する。
  • ザックがマイタケで満杯・・・林道沿いの草木を撮影していると、バイクに乗ったマイタケマンが帰って来た。聞けば、「今年は豊作」との答えが返ってきた。我々は、マイタケ用のスパイク付き地下足袋は準備していなかったが、午後、雨も小降りになってきたので、我慢できずに急遽マイタケ探しに出掛ける。 
  • シロマイタケ発見・・・手前の小沢を上りながら、両サイドのミズナラの大木を探す。左岸の尾根にとりつき、対岸の急斜面に仁王立ちしているミズナラの木を遠望する。根の窪みにマイタケらしきものが見えた。雨でぬかるんだ斜面に足をとられながら、キノコ木に向かう。たった一株だが、待望のマイタケであった。
  • シロマイタケ・・・だが、今年の初物。これだけで来たかいがあるというもの。今回の山釣りは、久々に山を歩いて汗を流し、全身の毒素を排出して、山の水で総入れ替えするのが最終目的であった。 それに加えてマイタケをゲットできたので言うことなし。
  • ミズのコブコ漬け・・・熱湯に塩を少し入れ、葉を取り除いたコブコをサッと茹で、冷やしてから水を切る。刻んだショウガとミョウガを和えて、塩昆布で漬ける。
  • マイタケのお吸い物・・・採れたてのマイタケは、やはり絶品!。一般的にシロマイタケは、歯切れが悪く、他系統のマイタケよりも食味が劣ると言われる。しかし、今回食べたシロは、歯切れも良く、3人で完食するほど絶品であった。
  • 背負いきれないほどマイタケを背負う強者二人・・・夕方になると、歩いて最奥のマイタケ場に向かった二人が帰って来た。疲れてはいるものの、顔は満面の笑み。獲物は雨で重みが増しているとはいえ、20~30キロは採っているだろう。少しだけ中を覗かせてもらったが、黒マイタケも入っていた。スマホで撮影した写真を見せてもらうと、マイタケの大株が並ぶ背後に今にも踊り出すような笑顔で写っているではないか。こんな大当たりが連発する年は、珍しい。
  • 三日目・・・小降りになったとは言え、依然として雨は降り続いていたが、早朝からバイクの音で目が覚める。9時頃、10時頃と立て続けに帰って来たが、彼らの荷は、一様に満杯であった。しかも帰ってくる時間が早いということは、狙ったキノコ木で大当たりしているからである。これなら、大雨が降ろうが、槍が降ろうが、マイタケ山に向かう気持ちが良く分かる。マイタケフィーバーは始まったばかりだが、今年は、恐らく、待ちに待った「マイタケ豊作年」であろう。

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