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2018マイタケ やっぱ豊作だ!

 2018年9月15日、定番のマイタケ山に向かった。目的のキノコ木に向かって急斜面を上る。直径わずか50m程度の範囲内に、これまで実績のあるキノコ木は6本あるが、そのうち5本にマイタケが発生していた。ここだけで50リットルのアタックザックは満杯に・・・こんなことは初めてのことだけに、「今年はマイタケ豊作年」だと確信した。
  • 車止めに着いたのは、まだ真っ暗闇の4時半。それでも一番奥の車止めは、ほぼ満車状態であった。マイタケマンたちは、明るくなるのを待ちきれず、ヘッドランプをつけバイクに乗って次々と奥地へと向かって行った。車の中で朝食をとり、明るくなるまで仮眠する。5時、準備をしようと外に出ると、隣の軽トラックのマイタケマンも準備中だった。聞けば、「今年は油断していた。もう茶系はナガレ寸前で、もう黒系も出てきた」とのこと。マイタケフィーバーは、もうピークに達していた。
  • 折り畳み式のMTBで上りが穏やかに続く崩壊林道を約5km、旧車止めまで40分。旧車止めには、バイクと自転車があったが、さらにこの奥地へ向かったバイクや自転車組も数知れず。もちろん全行程を歩く強者も・・・「マイタケ豊作年」の過熱ぶりが伝わってくる。
  • アップダウンが続く杣道は、崩れたり草茫々になったりですこぶる歩きずらい。途中から沢通しに歩いた。やはりマイナスイオンを浴びて歩く方が元気が出るし、瀬尻からイワナが走る姿も観察できるので、気分も爽快になる。目的の斜面に辿り着いたのは、車止めから2時間余り。度重なる災害でマイタケ山は遠くなったが、その分、奥地を訪れるマイタケマンが少なくなったのも事実。
  • マイタケ谷に秋を告げるダイモンジソウ
  • ほとんど体力を使い果たした状態で、めざすマイタケ山の急斜面を見上げる。一旦荷を下ろし、小休止。沢沿いの倒木に目をやると、早くもサワモダシが群生していた。今年は雨が多いせいだろう。ヤブの中にも茎にツバがないナラタケモドキも生えていた。ただし、早生なので、まだまだ本格的ではない。
  • 草付きの急斜面を、目的のキノコ木に向かって一直線に上る。苦しい・・・しばし休みながら上る。誰も歩いた形跡はない。やっぱ、生えていた。ただし、株はさして大きくはない。ところが、そのすぐ上のキノコ木を見上げると・・・
  • サカリの黒マイタケとスワリの茶マイタケがキノコ木の根元を取り囲むように生えていた。思わず、心の中でガッツポーズ!。毎年お世話になっている優秀なキノコ木の一つだが、これまで最高の発生量であった。写真を撮りながら、「これはスゴイ!、スゴイ!」と心の中で何度も呟いた。この感激、感動は、イワナ釣りの数倍も大きい。やっぱマイタケは、人生を賭けるだけの価値がある。
  • 「茶系マイタケはナガレ寸前」とは聞いていたが、ここではちょうど傘が開き切ったスワリ状態で、茎もしっかりしていて品質的には全く問題なしであった。黒系マイタケは、ちょうどサカリで品質的には「上」であった。他にマメもいくつか生えてきていたので、次回の楽しみに残す。 
  • この木一本で収穫したマイタケを、一番大きな風呂敷に広げる。疲れが一気に吹き飛ぶ光景をしみじみと眺める。スポーツドリンクで乾いた喉を潤し、チョコと大福でエネルギーを充填する。
  • 今から6年前に大当たりしたキノコ木は、今年も生えていない。2年前にナガレ寸前の大株が生えたキノコ木なので、今年は一休みか。
  • ちょっと上って4本目のキノコ木・・・マメが幾つも出ていた。傘が開いた株は一株。次回が楽しみなキノコ木だ。このすぐ斜め上のキノコ木に向かうと・・・。
  • 5本目のキノコ木・・・根元の上側に大株があった。回り込んで下側を見ると・・・ 
  • サカリからスワリのマイタケが根元を取り囲むように生えていた。右肩の上にはマメが2株生えてきていた。これも次回につながる兆し。もうこれでザックは満杯に近いので、採らずこのままにして、空身でもう一本のキノコ木に向かう。
  • 6本目のキノコ木・・・根の窪みに最上級の黒マイタケの株が生えていた。左上の方には、サワリの株も生えていたので、次回の楽しみに残す。この周辺のブナの幹には、「西木〇〇」とのナタ目がある。恐らく、この人も、この周辺一帯で大当たりした目印に刻んだものであろう。
  • 目的のキノコ木から、動いた範囲は直径わずか50m程度。時間にして1時間弱で、50リットルのアタックザックは満杯になった。しかも、次回につながるマメやサワリも散見された。「マイタケ豊作年」の出方は段違いにスゴイ!
  • 採る時間は短かったが、荷が重く、杣道を歩くスピードは超スロー。数キロのマイタケと違って、10キロを超えると、歩くスピードに決定的な影響を与える。お陰で、MTBを置いた場所まで2時間半もかかった。嬉しい重さのはずだが、車止めに着いた時はヨレヨレだった。前日、下見も含めると二日連続のハードな山歩きが続いた。やはり歳には勝てず、「ガンバレ、シジイ!」と心の中で叫ぶほかなかった。
  • 前日、別水系の沢に下見に行ったが、マメとサワリが生えていたキノコ木はわずか1本のみ。広い車止めには、他にたったの1台だけ。こちらは、「豊作」とは程遠い状態で、マイタケフィーバーの気配さえなかった。つまり、水系が違えば、出るタイミングや豊凶に大きな差があるということ。それを長年の経験と勘で読み取るのもマイタケ採りの面白さなのだが・・・。

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