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2018マイタケ採りPart5

 2018年9月28日、車止めの数を確認すると、ピーク時より大分少なくなった。帰路の荷を見ても、満杯に担いでいる人は稀である。昼を過ぎても帰らないバイクも多い。恐らく苦戦しているのであろう。そんな中、残してきたマイタケを回収に向かったが、そのキノコ木周辺で母グマに吠えられてしまった。やむなく別ルートを歩かざるを得なかったが、そのご利益なのか、二ヵ所でマイタケに当たった。
  • 車止め出発5時15分。目的の斜面の登り口に辿り着いたのは、午前7時過ぎであった。1週間前、ブナの根元を含めて6株のマメ、サワリを残してきたキノコ木に向かった。四つん這いになりながら急斜面を上り、そろそろかな、と思った瞬間、わずか10mほど先の藪から体全体に響くクマのうなり声が聞こえた。立ち止まると、少し間を置いて、何度も吠え続けた。
  • 恐らく、親子のクマが目的のキノコ木周辺で落下したドングリを食べていたのであろう。そこへクマ避け鈴を鳴らしながら接近する人間に、クマはいち早く気付いたはずである。ところが、子熊が逃げなければ、母グマも逃げない。やむなく母グマは、クマの存在に気付かない我々に、無用なトラブルを避けようと、「こっちへ来るな!」と警告音を発したものであろう。
  • 試しに笛を鳴らすと、同じく警告音が帰って来た。二人は、尾根まで移動し、少し休んで様子をみることにした。それでも、警告音は止まないので、やむなく斜面を下って枯れ沢まで下りて対岸に向かうしかなかった。 
  • 枯れ沢を上り、進路を左岸の斜面に変更し、その尾根を上る。ミズナラの巨木はあるものの、マイタケの気配なし。尾根のピーク付近まで来ると、やっとなだらかな斜面になったので、右岸の尾根に移動し下る。ほどなく、ブナの根元にマイタケの小株2つを発見。そのすぐ隣のミズナラの根には、何株も採取した跡が残っていた。
  • ほどなく、本流上流側の枝沢の斜面から爆竹を鳴らす音が聞こえた。先ほどの親子グマは、尾根を隔てた上流側へと移動したのだろうか。 
  • めぼしいキノコ木を探しながら下るも、黒系マイタケのマメ、サワリがあるのみ。
  • 下って対岸へ渡るルート上で黒系マイタケ2株に当たった。 
  • 対岸に渡った後、ほどなく大株が連なるマイタケに当たる。めざす黒系ではないが、何とか絵になるマイタケに当たったので、まずは安堵する。この時期、白から茶系のマイタケはほとんどナガレているが、このキノコ木は発生する時期が遅かったようで、スワリ状態の大株になっていた。 
  • 上から見ると、こんな感じ。
  • まずは一番大きな風呂敷に、大小6株を並べて記念撮影。二人で山分けにして背負う。自転車を置いた広場に着いたのは、12時をとうに過ぎていた。ところが、我々より早く来ていたはずのバイク3台ともまだ帰っていなかった。恐らく苦戦しているのであろう。途中で出会ったマイタケマンに聞いても、「残してきたマイタケは全てダメ、採ったのは小株だけ」、「全てナガレていた、小株を少しだけ」・・・どうもマイタケフィーバーは、一段落したようだ。
  • このところ気温は急激に下がっている。黒系マイタケのマメも散見されるようになった。今後は、「台風、雨マイタケ」の諺どおり、日本全土を通過する台風24号の攪乱を受け、黒系マイタケが大発生することを期待したい。

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