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2019マイタケ採りPart2

 2019年9月25日、台風による恵みの雨で遅れていたマイタケが一気に出始めたようだ。上のキノコ木の根の周りには、黒系のマメからサワリが大量に発生していた。24mmの広角レンズでも全ての株を一度に撮ることは不可能なほど凄まじい発生率に驚かされた。ただし、それはごく一部に過ぎない。午前5時過ぎに車止めを出発したが、午前中の収穫はゼロ。諦めかけて戻る途中で連続3本のキノコ木に当たった。お陰でザックはほぼ満杯状態になった。 
  • 最初は、手前の定番ルートを歩いてみる。恵みの雨で、サワリの小株やマメが見られたのは、わずかに2本のみ。これまで実績のあるキノコ木の発生はゼロの状態。 
  • ミズナラの根元に腰掛け、マイタケ山を遠望する。手前がダメなら奥に行くしかないと、沢へ一旦下りて、沢を遡行しながら上流をめざす。 
  • マイタケ沢上流部は、階段状のゴーロ連瀑帯が延々と続く。先ほどまでのヤブ漕ぎとは一転、連続するゴーロ滝のマイナスイオンを全身に浴びれば、気分も爽快となる。
  • マイタケの期待が薄いので、途中で出始めたサワモダシを採りながら上る。 
  • サワモダシやブナハリタケ、毒キノコの筆頭ツキヨタケも目立つようになり、山はやっと賑わい始めたように思う。 
  • 昨年、発生したキノコ木は全て発生の気配なし。これまで実績のあるキノコ木をほとんど回ってみたが、マメすら発見できなかった。今年の出の悪さを物語っているようだった。時計を見れば、既に12時を過ぎていた。諦めて帰るほかない。
  • 山を下流方法にトラバースしながら下る。その帰りルートでやっとサワリの株に出会う。数株あったが、これは採らずに残す。 
  • 急斜面の上側を見上げると、記憶に残っているミズナラの巨樹が仁王立ちするように聳え立っていた。思えば、数年前、誰かに採られた跡があった。その痕跡はかなりの数であった。タメ元でと思って、崖を攀じ登ると、下側には何も生えていなかった。左側を回り込もうとすると、待望のマイタケが目に飛び込んできた。疲れ果てていたせいか、余り感動は大きくなかった。ただ「あったぁ~」と、言った感じである。マメも数株あったので、それは大事に残して採取する。
  • 黒系のマイタケが大小4株採取。大事に風呂敷に包んでザックに背負う。この時、ふと思ったのは、その周辺の森の主のようなミズナラの巨樹なら生えているかもしれない。何となくそう思って、記憶に残る巨木をターゲットに下ってみた。それが逆転満塁ホームランにつながるとは、夢にも思っていなかった。
  • マイタケの巨樹が連なる斜面を下ると、ほどなく、巨樹の肩にサカリのマイタケが数株並んでいるのを発見。その周囲には、無数のマメも散見された。
  • かなりの数あったマメ。恐らく、先日の台風による恵みの雨で発生したものであろう。
  • 下側に回り込むと、根の真ん中に黒マイタケが一株。右の根の窪地になった穴にも生えていた。この時、やっと当たった感動が込み上げてきた。山中を8時間近くも彷徨ったにもかかわらず、その疲れは完全に吹き飛んでいた。 
  • 一番大きな風呂敷を広げ、収穫したマイタケを集めて記念撮影。やっと満足するマイタケに当たった充実感に浸る。これで十分満足だったので、一目散に下る。
  • その途中、右手の尾根付近に、本日出会ったキノコ木の中でナンバーワンの巨樹が目に止まった。念のためと、笹薮を掻き分け進むと、信じられない光景に出くわす。 
  • 最高ランクの黒系マイタケの株が、その巨樹の周りを所狭しと生えているではないか。マメ、サワリが多いとはいえ、株の数は数え切れないほど無数に生えていた。こんなに生えているのを見るのは、もちろん初めてのこと。これがサカリの状態になれば、それこそ腰を抜かす光景に一変するのであろう。
  • こうしたマメも一列渋滞のように無数に並んでいた。
  • 眼に見える株は、残念ながらサワリがほとんどで、サカリの株はまだ一株に過ぎなかった。採るか、採るまいか、悩む。結局、採取したのはサカリの株一株のみ。というのも、それでザックはほぼ満杯だったから、意外に諦める判断も早かった。しかし、誰にも採られない確率は極めて低い。
  • そんなことを考えると、残すマイタケの数がとてつもなく多かった故、ここにテントを張って、誰にも採られないよう成長を見守りたい、と真顔で思った。これこそ山の神様に祈るほかない。   

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