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猛暑の中、2020年最後のイワナ釣り

  • 9月に入っても連日30℃以上を超える中、さらに今年の最高気温38℃を記録した9月3日、相棒とともに今年最後のイワナ釣りに向かった。早朝勝負と言うことで、朝4時半に家を出発。車止めに5時半に着いたものの、何と相棒が渓流足袋を忘れてしまった。彼の家まで戻って、再度車止めに着いたのは8時近かった。
  • 車止めには、FFマンの二人組が釣りの準備をしていた。今年最高の猛暑が予想されていたが、蒸れ必須の「胴長」スタイルには驚かされた。聞けば本流を釣り上がるという。目的の沢が違ったことに安堵する。
  • 朝から気温が上昇。冷たい渓流に靄がかかったように霧が立ち込めていた。下流部は激戦区ゆえ、アタリは遠い。釣れても7寸前後と小物サイズが中心であった。
  • 7寸前後のイワナたち。中には、サンマのように痩せたイワナも釣れた。瀬尻に8寸前後のイワナも見えるのだが、市販のエサでは食いつかない。毛バリと思ったが、車に忘れてきてしまった。やむなく、荒釣りしながら最奥の源流を目指して足早に釣り上がるしかない。
  • 次第に陽射しが強くなり、気温がグングン上昇する。冷たい渓流を歩いていても暑い。そんな中、小物はリリースしながら高度を上げる。
  • 着色斑点は薄いが、紛れもなくニッコウイワナ。腹部の橙色が鮮やか。 
  • できるだけ渓流のシャワーを浴びながら釣り上がる。やっぱり猛暑日は、広葉樹に覆われた渓流に勝るものなし。 
  • イワナは「足で釣れ」の格言どおり、奥に進むにつれて、釣れるサイズもワンランクアップしてきた。
  • やっと28cmのイワナ・・・何とかイワナ釣りらしい釣りになってきた。 
  • ヤマウラギンヒョウモン・・・幼虫の食草は、タチツボスミレなどの各種スミレ科植物。 
  • 車止めから2時間以上歩けば、市販のエサでも、キープサイズは釣れる。 
  • 源流部に懸かる滝・・・右岸を巻いてさらに奥地へ 
  • 橙色の斑点が鮮やかなニッコウイワナ 
  • やっと泣き尺サイズのイワナが釣れた。久しく来ることがなかった細流の上二又で納竿。まさかこんな奥地にまで来るとは思ってもいなかった。急ぎ足で釣り上がって来ただけに、二人ともかなり疲れていた。まずは渓流水で喉を潤し、大休止した後、午後1時半に谷を転がり落ちるように下る。 
  • 猛暑の中、渓流のマイナスイオンを浴びで涼むアキアカネ
  • 今年一番の暑さを記録したピーク時間帯に、車止めまで歩き続けた。途中から右岸に杣道もあったが、この暑さではヤブと化した杣道に入るのは地獄。崩壊林道まで沢通しに歩いた。 
  • 全身から汗が吹き出し、目に汗が沁み込んで見えなくなるほど。その度にタオルで顔をぬぐう。途中、何度も渓流水を飲む。飲めばさらに汗をかき、すぐに喉はカラカラに。足もフラつき、ちょっと石につまずいただけで転びそうなほどバテバテになった。 
  • 崩壊林道まで2時間半、車止めまで3時間もかかった。お陰で、下界の毒素は完全に汗となって放出し、清冽な天然水で入れ替えることができた。着替えると、心身共にリフレッシュした感覚が蘇ってきた。イワナ釣りの素晴らしさは、まさにこの点にあるのかもしれない。
  • ダイモンジソウ
  • ミズのコブコ
  • サラシナショウマ 
  • ミヤマアキノキリンソウ 
  • ゴマナ 
  • カメバヒキオコシ 
  • リョウブ
  • エゾアジサイの実 
  • ヌスビトハギ
  • キンミズヒキ 
  • ミヤマガマズミ
  • エゴノキ
  • ツリフネソウの花とトラマルハナバチ・・・ツリフネソウの蜜は、花の最奥に位置する渦巻き状になった距の先端内部にある。トラマルハナバチは、この蜜を吸うために、花の入口から距に潜り込み、長い口吻を使って最奥の蜜を吸う。この時、入口にある雄しべの花粉が背面に付着する。そして他の花の蜜を吸う時に雌しべの柱頭に擦り付け受粉させる。ツリフネソウは、トラマルハナバチを送粉のパートナーに選び、そのサイズに合わせて進化したと考えられている。
  • 葉の上で花粉団子をつくる・・・トラマルハナバチは、ミツバチと同じく、全身に細かい毛が多い。その毛にたくさんの花粉がつくと、葉の上に止まって、蜜を少しだけ吐き戻して、脚で体をぬぐって、後脚の平らな所に花粉を集めて団子をつくる。花粉は蜜と並んで大事な食料である。糖分が多い蜜はすぐにエネルギーに変わる主食とすれば、花粉はタンパク質、ミネラル、ビタミン類が豊富なオカズに相当する。 
  • チョウに似たガの仲間「チャマダラエダシャク」・・・ガの仲間でも昼行性のものは、見かけや色がチョウに良く似ているものが多い。オトコエシの花蜜を吸うチャマダラエダシャクは、一見チョウと見紛うほどチョウに似ている。それもそのはず、チョウとガは、同じチョウ目の仲間である。
  • チョウ目は、日本に5000種ほだが、その5%に当たる235種ほどがチョウである。ということはガの仲間は、チョウ目の95%を占め圧倒的に多い。しかし、美しいチョウは研究も進んでいるが、夜行性で地味なものが多いガは、研究も遅れていて参考になる文献が極めて少ない。( 上の画像:鮮やかなブルーが美しいミヤマカラスアゲハの吸水)
  • 日本の昆虫は、名前のついているもので3万種。さらに名前の分からない昆虫を含めると10万種以上もいると言われている。そんな昆虫の世界に素人がチャレンジするには、まだまだ研究も文献も乏しいのが現実だ。けれども未知の領域が極めて多いということは、それだけ知りたい欲求に掻き立てられることも確かである。分からないからこそ、素人にとっては発見の連続・・・そこが「昆虫シリーズ」に挑戦するモチベーションになっている。

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