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2020マイタケ採り大苦戦!

  • 2020年9月16日、下見に行ったがマイタケの気配はゼロ。その一週間後、4連休明けの9月23日、マイタケはたったの一株のみ。それも傘が開き過ぎで品質はCランクであった。次回につながるマメもゼロ・・・今年のマイタケは、素人レベルでは全く読めない状況が続いている。
  • 9月に入っても最高気温が30℃を超えた日が9日もある。さらに25℃を下回った日は、たったの3日しかない。だから真夏のキノコの代表であるトンビマイタケが、9月に入ってから一転「豊作」という珍現象が続いたという。だからマイタケの出が遅れるのも当然なのだが・・・
  • 4連休は、俄かマイタケマンも含めて相当山に入ったことだろう。さらにマイタケの発生が大幅に遅れているにもかかわらず、マイタケ採りの車は意外なほど多い。車やバイクの数を見れば、マイタケフィーバーが始まったかのような錯覚を覚える。 
  • 「日照りトビダケ、雨マイタケ」とは言うものの、地球温暖化の影響で雨量が格段に多く、沢の水量が例年よりかなり多い。これも気になる点の一つだ。
  • 1週間前と比べれば、右岸のマイタケ道はかなり踏まれて明瞭になっている。もしかしてマイタケは出ているのだろうか。半分期待を抱きながら、前回より奥地の斜面に向かって歩くこと2時間弱。目的の斜面下の河原で大休止。
  • 休みながらヤブだらけの急斜面を見上げる。心臓破りの急斜面を標高差約100mも登らねばならない。年々体の老化は進むが、意を決して上り始める。心臓はすぐにパックンパックンと音を立て、次第に大きくなるのがはっきり分かる。額からは汗が噴き出す。何度も休みながら、目指すキノコ木に向かって登る。
  • キノコ木1本目なし、2本目なし、3本目なし、4本目なし、5本目なし・・・マイタケのマの字もない。マイタケマンが歩いた痕跡はあるものの、採られた痕跡はゼロであった。 
  • キノコ木が集中する場所は、ザックを置き、身軽な格好で探ってみる。マメすら見当たらない。次の尾根に向かう。 
  • 枯れ沢の急斜面に仁王立ちするキノコ木の真下を覗くと・・・待望のマイタケがあった。それも大きな株である。何とか出会えた嬉しさに疲れも吹っ飛ぶ。
  • この木にだけ、なぜマイタケが出たのか。このマイタケは、雨が直接当たらない根元直下の窪地に生えている。マイタケの出が遅いのは、気温だけでなく、雨量も影響しているように思う。
  • 毎年黒マイタケが出るキノコ木だが、今回は白に近い茶系で、しかも傘が開き過ぎのスワリ末期であった。「来るのが遅え、ジジイ!」と言われているようだった。気温が高いから成長が早いのも明らかだ。残念ながら品質はCランク・・・他人にあげられるような代物ではないが、初物マイタケなので丁寧に採取し、風呂敷に包んで背負う。ズシリと重い。
  • マイタケ山まで広がってきたナラ枯れ ・・・マイタケが出る根元周りを覗くと、カシナガが孔道を掘った木くずや糞などの混ざった大量のフラスがみられた。ナラ枯れは、地球温暖化とともに猛スピードで北上。ついにマイタケ山の核心部に達したことに愕然とした。
  • 地球温暖化の災いとはいえ、老木がカシナガに侵されるのは自然の摂理。伐倒するなどという愚かなことはせず、受け入れるほかない。キノコ木の寿命は短くなるが、倒れるまでマイタケは発生するだろう。その森の恵みを最大限活かすことこそ、マイタケマンの務めであろう。
  • 沢に降りたのは午前10時過ぎ。次回につながるマメが全く見当たらない。こんな状況では、次なるルートに向かう気力が湧いてこない。帰ってくるマイタケマンたちの背中は、いずれも空っぽに近い。
  • 車止めに同時に着いたマイタケマンは、「今年は全く読めない。もしかしたら出ないのではないか」と悲観的な見方を口にした。直売所を覗いても、「天然舞茸」 と書いた棚は空っぽ。聞けば、マイタケは出ているようだが量が少なく、すぐに売り切れになるという。プロでも量が採れないのだから、素人に当たらないのは当たり前。まだまだマイタケフィーバーは先のようだ。
  • 楽観的な見方をすれば、マイタケフィーバーは10月に入ってからであろう。      

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