山釣り紀行TOP

2020黄葉晩期のナメコ採り

  • 例年より1週間遅い10月31日'(土)、相棒と二人でナメコ採りに向かった。ブナ林の黄葉は、黄色から褐色へと変化し、落葉も目立つ黄葉晩期になっていた。今年は、全てのキノコの発生が遅れていたが、ナメコも例外ではなく、やっと発生初期~最盛期に向かう中間段階であった。それだけ傘が完全に開く前・・・ベストタイミングのナメコを大量に採取。お陰で、たった1回のナメコ採りで、充分過ぎるほどのナメコを採取できた。こんなことは久しぶりのことである。
  • ブナ林の黄葉は晩期・・・山の頂上付近は、既に落葉して裸木が目立つ。渓谷周辺は、黄色に色付いた黄葉より、落葉寸前の褐色が目立つ。もう一週間もすれば、木枯らし状態となるであろう。キノコの発生は全体的に遅れているが、冬の足音は例年より早そうな気配だ。このちぐはぐな現象は、今年の異常気象を物語っているように思う。 
  • 手前の倒木には、やっとナメコが出てきたばかり。キノコ採りの人たちが歩いた跡は、たくさんあったが、恐らくナメコの収穫はゼロであっただろう。さらに、この谷ではサワモダシが大不作のようで、採られた跡も腐った痕跡もほとんど見られなかった。こんなことは初めてのことである。
  • 杣道沿いの激戦区・・・このブナの倒木は、倒れて久しい。既に皮は剥げ落ち、分厚い苔に覆われている。にもかかわらず、毎年大量発生する優秀なキノコ木である。激戦区にもかかわらず、誰にも採られることなく、ベストタイミングのナメコに出会えたのは、異常気象の珍事のお陰であろう。 
  • 傘は完全に開く前、最も旬のナメコが大量発生・・・こんなことは滅多にない。小躍りしながら丁寧に採取する。連日雨が続いていただけに、水分を多く含み、殊の外重い。この荷を背負って歩くのは困難・・・採取したナメコは、ヤブにデポしておく。
  • 杣道を歩く途中の倒木を探すも、旬を過ぎたナメコや発生したばかりのマメがまばらなものばかりで、収穫するほどのものはなかった。ムキタケを採った痕跡が至る所にあったが、ナメコやサワモダシを採取した痕跡は皆無であった。
  • 車止めから歩いて1時間半ほどの倒木・・・昨年からナメコが発生し始めたキノコ木だが、期待したほど生えてはいなかった。傘が開いた成菌と二番目に発生した幼菌が仲良く発生している。これはよく見かける光景だ。 
  • マメも見られたので、これから順次発生するかもしれない。しかし、今年の冬は早いと言われているので、ナメコの発生は例年より短いように思う。 
  • 斜面から浮いた倒木には、ナメコではなくムキタケが生える。ナメコが発生する倒木は、緩斜面でかつ斜面に接していることが絶対条件である。さらに数百年ブナの倒木と言えども、雪崩などで動くような倒木には生えない。それだけ条件が厳しいだけに、大量にナメコが発生するナメコ木は極めて少ない。
  • 奥地に向かう途中のキノコ木・・・黄葉晩期に入った奥地は、手前よりナメコの発生が早いようで、傘が開いた成菌が大量に発生していた。
  • 楽しい、楽しいナメコ採り・・・傘裏が白っぽい良品を選んで採取する。
  • 奥地のナメコ木①・・・既に腐っているナメコも見られたが、傘が開いた成菌と出てきたばかりのマメも大量に見られた。 
  • 奥地のナメコ木②・・・既に最盛期が過ぎた埋もれ木から肉厚のナメコがわずかに発生していた。ナメコの発生は今年で終わりであろう。 
  • 猛毒ニガクリタケに注意!・・・倒れて久しいブナの根元には、大量のニガクリタケが発生していた。下から見上げると美味しそうに見えるが猛毒である。猛毒につき、絶対食べてはいけないキノコの一つである。
  • 青森県の悲惨な中毒死事故の例・・・ニガクリタケを佃煮にして家族6人が食べた。子ども4人のうち、下の5歳、7歳、10歳の3人は2日後に死亡、13歳の長女は4日後に死亡。38歳の母親は一時意識不明になるが4日後に回復。46歳の父親も同様の症状を発症するが20時間で回復。両親は助かったものの、幼い子ども4人全員が死亡するという悲惨な食中毒事故が発生している。昭和31年と古い記録だが、両親が子どもたちのために、少しだけ食べて残りを食べさせたことが、子どもだけ亡くなった原因とみられている。涙ぐましい親心が悲惨な中毒死を招いた、何とも悲しい毒キノコ事件である。不明なキノコは、「採らない、食べない、売らない、人にあげない」の4原則を厳守することが大切である、と改めて思う。
  • 大量に降り積もった落葉・・・そろそろイワナの産卵も始まることだろう。
  • 早めの昼食後、奥地のナメコ沢に向かう。 
  • 奥地のナメコ木③・・・このナメコ沢の奥には、期待できる数百年ブナが数ヵ所あるが、相棒は採り過ぎてもうザックに入らなくなった。ここで終わりにするほかない。車止めまで、真っすぐ歩いて2時間余り。マイタケ同様、ナメコ採りも楽ではない。しかし、苦労した分、感激も大きいからやめられない。これでキノコ専用の冷凍庫は満杯に。今年のキノコ採りは、これで終了としたい。       
  • 2020ブナ林のナメコ採り動画 (3分18秒)

山釣り紀行TOP

inserted by FC2 system