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猛暑の夏、涼を求めて源流へ

  • 猛暑が続く7月中旬、二人のパーティでイワナ沢源流に向かった。今年一番の猛暑の中、藪と化した杣道は熱中症になりかねない。全て沢通しに歩く。三日間好天に恵まれたが、気温が異常に高く、釣れない釣り日和。こんな時は、毛バリあるいは現地調達のエサに勝るものはない。渓流を飛び交うトンボを使ったり、持参した毛バリにブドウ虫を刺す「半毛バリ」釣法で釣ってみた。いずれも効果は抜群であった。どんな釣法であれ、釣れれば「楽しいイワナ釣り」である。 
  • エゾアジサイの花が満開の谷をゆく 
  • エサ用に赤とんぼを捕獲・・・開けた谷沿いに来ると、赤とんぼが無数に飛び交っていた。川虫採り用の網で捕獲し、網袋に入れる。川虫も採取してみたが、ほとんど羽化しているで、大きなカワゲラを捕獲するのは困難であった。
  • ベースキャンプは、広葉樹の森に覆われた高台
  • トンボをエサにすると、イワナは一発でヒット 
  • 採取した川虫でやったら、小物サイズしか釣れない。ブドウ虫でやったら、反応は全くなかった。結局、渓を飛び交うトンボに勝るエサはないとの結論に達した。 
  • トンボのエサには、良型サイズのイワナが次々とヒット 
  • 湧水が流れる小沢・・・苔生す岩と冷たい湧水で白い霧が漂う光景は、涼しさ満点
  • トンボをエサに釣り上げた良型イワナ 
  • 山釣り定食 
  • 源流酒場・・・イワナの世界は無人境だけに、コロナとは無縁の世界だ。そしてあらゆるものが循環の輪の中にいることを実感する。一方、コロナに翻弄される人間社会だけが、自然の循環の外にいる。そんな持続不可能な社会の矛盾に、そろそろ気付くべきではないだろうか。いつものことだが、久々の源流酒場に呑みすぎてしまった。反省、反省。 
  • 二日目・・・雲一つない快晴。里では35度を超える猛暑日。 
  • 沢通しに歩いて源流へ・・・連続する滝を大高巻きする途中、腰に下げていた川虫採り網を落としてしまった。現地採取のトンボを捕獲できない。偏光メガネも忘れてきたので、毛バリで釣るのも難しい。ならば、持参した毛バリにブドウ虫を刺す「半毛バリ」釣法しかないだろう。 
  • チョウチン半毛バリ釣り・・・竹濱毛バリにブドウ虫を刺して釣る半毛バリは、抜群の効果を発揮した。オモリは付けず、小さな玉ウキで飛ばす。着水した毛バリで誘い、本物のエサで食わす。だから毛バリを見失っても、「向こう合わせ」で釣れる利点がある。
  • 伝統的な「半毛バリ釣り」・・・プライドの高い釣り人なら、毛バリにエサをつける禁じ手は決して使わないであろう。ところがこの釣法は、昔、職漁師の人たちも使っていた方法の一つで、「半毛バリ釣り」と呼ばれている。エサ釣りと同様、瀬を流すだけ。イワナは、水面に落下した昆虫だと錯覚して、半毛バリに食いつく。本物のエサがついているから慌てて合わせる必要もない。イワナを水面の上に引き出してから釣る毛バリ釣りの醍醐味を味わいながら、向こう合わせで釣り上げることができる。つまり、毛バリ釣りとエサ釣りの良いとこどりができる釣法である。
  • 半毛バリにヒットしたイワナ
  • 止水状態のポイント・・・イワナが丸見えだが、死んで動かないトンボには寄ってくるものの、偽物と思うのか決して食わない。あくまで水面を飛び回るトンボを狙っていた。毛バリと同じく、動きを与えないと食わないようだ。だから止水ではなく、流れの筋に乗せると食いついた。 
  • 昼食後、ブドウ虫で釣ってみる・・・最源流部に突入すると、市販のブドウ虫でも入れ食い状態で釣れるようになった。
  • 真っ黒にサビついたイワナ・・・渇水になれば、鳥などの外敵に狙われないように岩穴に隠れているからであろう。まるで早春のイワナのように黒くサビついているイワナが多い。 
  • どんな釣法でも、釣れれば楽しいイワナ釣り 
  • テン場まで沢通しに下ること2時間・・・沢下りとは言え、全身から汗が吹き出し、沢水を何度も飲みながら下る。今日一日で、体の水分を山の水で総入れ替えすること2回もと思うほど、頻繁に水分補給を行った。お陰で、体の調子はすこぶる良くなった。山に感謝、感謝である。
  • くそ暑い夏は、清涼感満点の「沢歩き」に限る。 
  • 動画「猛暑の夏、涼を求めて源流へ」・・・15分10秒 

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