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真夏は半毛バリ釣法

  •  2023年7月7日(金)、日程が合わず、今回は泊りではなく日帰りの釣行となった。年々、杣道を歩く人が少なくなり、草茫々の中を1時間ほど歩く。しばらく沢通しに歩いた後、トンボやカワゲラを採取し、釣り開始。最初は、チョウチン毛バリでやったが、良型イワナが水面を割って飛び出すものの、反射的に早合わせをしてしまい、連続4回も落としてしまった。老化と共に釣りの回数も減り、技術も劣化していることに気付く。ならば昔、職漁師が使っていた「半毛バリ釣り」・・・すなわち毛バリに本物のエサを付けるという、プライドの高い釣り師の「禁じ手」を使ってみる。道糸は視認性の高い黄色の天糸1.5号、長さ3mに竹濱毛バリを直接結ぶ。向かい風があっても飛ばしやすいように道糸の途中に超小型の玉ウキを使用。案の定、9寸前後の良型イワナがヒット。毛バリで誘い、本物のエサで食わすから、遅合わせで十分。ただし、遅すぎると、毛バリと言えども胃袋まで飲まれるので注意が必要。この半毛バリ釣法は、初心者にも最適なので、ぜひお試しを。
  •  なお、二日前、単独で別のイワナ谷に向かった。こちらも歩く人がほとんどおらず、草茫々の崩壊林道を30分ほど歩き、沢に入る。ここからさらに30分ほど歩いて竿を出そうと思って沢通しに歩く。前日までの雨で、増水した沢の流れの音が凄まじく、クマよけ鈴の音がかき消されていたようだ。右にカーブすると、右岸の立ち枯れ木に黒い大きなクマが飛び乗って抱きつき遊んでいた。その迫力は、立木が前後左右に激しく揺れるほどだった。その距離、わずか15mほどと近いが、クマは人の気配に全く気付いていない。しばらく観察していると、立木から下りて、草むらのエゾニュウを食べながら上流に向かって歩き始めた。これじゃ、上流に向かって歩けない。一人では危険なので、釣りを断念して沢を下るほかなかった。それにしても少子高齢化が急速に進み、山に入る人は激減する一方、クマと遭遇する機会が格段に増えた。タケノコシーズンが終わった夏のクマは、エゾニュウやフキなどの多肉植物を求めて沢に集まる。だから夏のイワナ釣りは、クマよけ対策はもとろんのこと、クマと遭遇した場合に備えてクマ撃退スプレーが必須である。くれぐれもご注意を!

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