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気の抜けない遡行、コウタケ、マイタケ3株、イワナとマイタケ料理、夢のイワナとマイタケへの道
 今年最後の山釣りは、ラッキーなことにキノコの王様・マイタケに当たった。こんなラッキーな年は、滅多にあるものではないだけにマイタケづくしの料理を満喫した。一日目は、林相調査でいきなり3株当たり、二日目は、釣りの帰りに小ぶりながら4株当たった。
 釣り人でさえ滅多に味わえない「イワナ&マイタケ炊き込みご飯」
 これぞ究極の山釣り定食である。
 秋田県の渓流釣り期間は、3月21日〜9月20日まで。今年のマイタケは、豊作の兆しだが・・・例年9月20日以降が発生のピークが多い。だから、イワナとマイタケの両方を楽しもうと思えば、隣県の河川に行くしかない。ということで、今年最後の山釣りは、青森県の某川に向かった。

■2013年9月21日〜23日、パーティ4名
 台風18号の大雨に加え、昨夜から今朝にかけて局部的に雨が降ったのか、予想以上に水量が多かった。下流部は、滝とゴルジュが連続するだけに、遡行の難度は格段にアップしていた。だから釣り人やマイタケ採りの人たちは皆無であった。 
 いつもは重い荷を背負っていても対岸へ簡単にジャンプできる場所でさえ、水嵩が増し、空身じゃないとジャンプ不可。やむなく空身で対岸にジャンプし、荷をザイルで引き揚げる。激流が走る岩場を際どくヘツル。渡渉できないゴルジュ区間や連続する滝の高巻きなど、久々に気の抜けない遡行が続いた。
▲高巻きの途中で見つけた「コウタケ」
▲最大の難所で休憩

 上の写真は、水位が下がった帰りに撮影した写真。行きは、この時より遥かに水位が高かった。最大の難所は、そのゴルジュの左岸・・・屹立する崖を上り下りしなければならない。そこに頼りない細いロープがあったが、今回は新しいロープを張るべく10mm×20mのザイルを背負っていた。

 幸い太いメインロープに張り替えられていた。空身で降りてみると、ちょっと短い。メインロープにザイルを足して何とか突破した。
 全ての滝を巻き終え、テン場近くの河原に達するまで3時間半・・・ここで竿を出して釣り上がる。1時間ほどで7匹の釣果。昼食後、テントを張り、焚き火用の薪を集める。午後2時過ぎ、私とナベちゃんは、マイタケ調査に向かう。対岸の細尾根には、明瞭なクマ道が続いていた。

 標高差100m余り上ったが、ミズナラはいずれも細く、本数も少ない。それより上は、笹薮とブナばかりになった。やむなく下る・・・待てよ、このまま同じ所を下るのはもったいない。下流側にトラバースしながら半枯れのミズナラを探す。ほどなく、屹立する崖周辺に半枯れのミズナラが目立ち始めた。
 苔が生えたミズナラの根元を左回りに回り込むと、サカリの株が二株、目に飛び込んできた。吹き出す汗を拭きながら、「あった、あったぞぉ〜」とナベちゃんに向かって叫ぶ。木の下にも小ぶりだが1株、合計3株あった。データの全くない尾根で当たるとは・・・実にラッキーであった。
▲スワリ状態の大株
▲サカリ状態の株 ▲下から起こすように大株を採り、ご満悦のナベちゃん 

 3株を厚手の風呂敷に包み、ザックに背負う。これで4人×二日分のマイタケをゲットできた。マイタケは一ヵ所見つければ充分・・・それだけに勝負が早い。しかし、下ろうとしてもすぐに崖で降りられない。下流の小沢の尾根までトラバースしながら下って、やっと沢に降り立つ。
 テン場に向かうと、ダマさんとキンさんは焚き火を囲んでコーヒーを飲んでいた。我々に気付き振り向いた。私は、両手で「○」を作って笑顔で答えた。2013最後の山釣りは、最高の食材がそろった。
▲イワナは、刺身と塩焼き ▲ミズのコブコの塩昆布漬け
▲マイタケは調理用に裂く ▲マイタケのお吸い物に三つ葉を添える
▲マイタケの天ぷら ▲マイタケの炊き込みご飯
夢の「イワナとマイタケ」への道

 思えば、マイタケ採りを始めたのは2007年秋から・・・2年目にいきなり1本のミズナラから20kgのマイタケに当たった。以来、マイタケ採りにのめり込む。しかし、以降苦戦が続く・・・大当たりは単なるマグレ当たりであったことを痛いほど思い知らされる。データのない俄かマイタケ採りが、いくら足で採ろうとしても当たるはずもない。

 転機は4年目の2010年・・・この年はマイタケが豊作の年であった。地形図を徹底的に分析し、標高と歩くルートをあらかじめ定めて林相を読みながら歩く。さらに歩く人が少ない崖地を中心に探る。するとデータなしでも当たりが連発・・・マイタケが生えるキノコ木のデータが格段に増えていった。

 手探り状態で始めたマイタケ採りから7年・・・何とか人並みにマイタケが採れるようになった。かくして2013年、やっとイワナとマイタケを満喫する山釣りが実現した。振り返ってみると、イワナ馬鹿、マイタケ馬鹿にならないと、この夢は決して実現しなかったように思う。

 ・・・Part2に続く

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