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当たり4本・・・総重量12.5kg、ブナに生えたマイタケ、最上級品「クロマイタケ」4kg・・・
▲最上級品「クロマイタケ」の大株4kg
2010年9月23日、朝から雨が降っていた
雨の山歩きは嫌だが、マイタケが腐らないか気になって、単独で山に向かった
狙ったとおり、上の写真・大株を筆頭に、当たりが連発した

雨と寒さ、巨大な株、荷の重さに震える感動が連続
やっと、マイタケが生える地形を読む目が確かになってきたように思う
いずれにしても、今年のマイタケは、例年にない「豊作年」であることは確実である
当たり1本目
朝4時半、家を出る
林道に入ると、前に車が4台、後ろからも車が次から次へとやってくる
雨にもかかわらず、マイタケ採りの人気の高さには驚かされる
車止めに着くと、駐車スペースがほとんどないほどの車が駐車されていた

雨の山歩きほど、嫌なものはない
手前から探ろうと思ったが、これだけ人が多ければ、奥地を探るしかない
6時15分、車止めを出発、杣道を1時間ほど歩き、遅い朝食をとる

右向かいの脇尾根を見上げると、ブナに混じってミズナラの巨木も見える
斜面の傾斜はきついが、思いの外歩きやすい
上り始めて数分・・・意外に早く1本目が当たった

背中からカメラを出すも、ISO1600でも手ぶれを起こすほど暗い
おまけに雨が邪魔をする
やむなく、フラッシュ撮影とISO感度3200にセットし、記念撮影程度にとどめざるを得なかった
当たり2本目・・・ブナの根本にも生えていた希少なマイタケ
大当たりは、意外に早くやってきた
ブナの下にあるミズナラの巨木が気になって、少し下った
ブナの幹の右側を覗くと、株が連続して生えているではないか

さらに、手前のブナの根本にも生えていたのには驚いた
下まで降りて、ブナの根本を見上げる
確かに、ブナが地中を這う根の周りにたくさん生えていた
ブナに生えたマイタケを見るのは初めてのこと・・・それだけ希少な例である

恐らく、下のミズナラに生えた菌が上のブナに着生したに違いない
雨足が強くなってきたので、株数を数える余裕もなくなった
一枚目の風呂敷を出して、株を壊さないように丁寧に包む
マイタケが群生する光景は、木の花のようで美しい
ザックに背負うと、水分を含んだマイタケはズシリと重い
▲張り出した根の草地にも着生
▲急斜面の根に着生 ▲根と根の間に着生 ▲根の窪地に着生

当たり3本目
高さ150mほど上ると、マメやサワリの状態も目につく
カメラを出す気にはなれず、全てパスする
ほどなく、ミズナラ上部の根元に生えた大株が目に飛び込んできた

根元の横と下にも小さな株がたくさん生えていた
マメとサワリを残して採る
ここで最後の風呂敷を出し数株を包む
雨に濡れたマイタケは、殊の外重い
これ以上当たったら、急斜面を安全に歩けなくなる
雨足は依然強く、震えるほど寒い・・・手の感覚もなくなるほどだ
▲幹に着生 ▲枝分かれが多く、茎が太い ▲根周り全体に生えていた

帰るルートをどうするか・・・同じ斜面を下るのはつまらない
枯れ沢の対岸に渡って下り始める
急峻なヤセ尾根を笹や灌木類につかまりながら下る
当たり4本目・・・本日最大のクロマイタケ4kg
左手に巨大なミズナラが目に止まった
近付くと、根本に巨大な株が雨に打たれて黒く光って見えた
寒さと感動に震えながら独り言をつぶやく

「スゴイ、スゴイ・・・さしずめイワナ釣りなら50cm級の大イワナだな」
二人なら、その大きさが分かるように撮影できるが、一人なら無理
背景が全て巨大なだけに、その大きさを表現できない
▲巨大なクロマイタケの株は、横から見ても、下から見上げてもデカク、迫力満点だった ▲下に小さな株も生えていた
とりあえず手で起こすように採り、枝幹の上に乗せる
最上級品と言われるクロマイタケは、肉の密度が高くズシリと重いのが最大の特徴
風呂敷を二つに分けていた株を一つにまとめ、空の風呂敷で包もうとした

すると、105cm×105cmの風呂敷を結ぶのがやっとだった
家で計測した数値は、長辺45cm、短辺35cm、重さ4kgあった
いざ65リットルのザックに入れようとすると、大きすぎてなかなか入らない

崩れを最小限に抑えるように、騙し騙し押し込み背負う・・・さすがに重い・・・
これ以上当たったら、もう背負う自信がなかった

危険な斜面は回避し、元来た斜面に戻ってまっしぐらに下る
今夏の猛暑と雨・・・今年は、マイタケが豊作であることは間違いない
でなければ、マイタケ初心者に当たり連発などという夢が現実になるはずもないだろう

雨に煙る対岸の山々を眺めながら思った
全山、マイタケが爆発しているのではないか
それにしても、千年以上も生きるミズナラのパワー、恵みの凄さには圧倒された
マイタケの当たりが連発すると、その後処理が大変だ
とても我が家だけで食べきれる量ではない
泥とゴミ処理、クズを含めて鍋用、天ぷら用、焼き物用、冷凍用、プレゼント用に処理する

その作業に4時間余りもかかり、腰が痛くなるほどだった
山の恵みは、山神様からの贈り物・・・だから決して粗末にはできない
今夜は、きりたんぽ鍋、天ぷら、焼きマイタケ、マイタケ酒で、夢が現実になった感動に酔いしれる
参考:最上級品「クロマイタケ」
黒系のマイタケは、クロマイタケ、ホンマイタケ、ビロードマイタケ、クロフ、
クロフサ、シモフリマイタケ、シモフリなどと呼ぶ
遅出タイプで、マイタケシーズン最盛期の9月中旬後半〜10月上旬後半に発生

他系統のマイタケより遅く、霜の降る頃に発生する
葉は小葉で茎は短く充実、枝は分岐が少ない
形が良く、容積の割りに、ズシリと体に感じるほど重いのが最大の特徴

マイタケ特有の香りも高く、肉質は厚く締まり、歯切れが良い
マイタケ3種(黒、茶、白)の中では最上級の品質で、市場性が高い
霜降る頃にみられるマイタケは、「シモフリマイタケ、シモフ、シモフサ」などと呼び、最上級品である

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