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黄葉晩期のブナ林とナメコ、立ち枯木ナメコ、ナメコの大群生その1〜3、天然ナメコの見分け方、奥山のナメコ採り・・・
落葉舞い散る黄葉晩期・・・ナメコの発生はピークに達した
ブナ林を代表するナメコの群生美は、何度拝んでも新鮮な感動を与えてくれる
ナメコに限らず天然キノコ全般に言えることは・・・採る時期によって品質に大きなバラツキが生じる

わずか数日ずれるだけで、大群生全体がナガレ状態になることも少なくない
従って、虫食いゼロの旬のピークに当たるのは意外に難しい
今回は、その旬のピークにほぼ当たった
2011年10月29日早朝・・・
山の冷え込みは一段と厳しく、震えるほど寒い
余りの寒さに、ホッカイロを腰と腹の二ヶ所に張って暖をとる

ブナの森は黄葉から落葉へ
森を覆い尽くしていたブナの葉は半分以上が散り、青空が透けて見える
こうなると、倒木に降り注ぐ光と雨は次第に大きくなるから、ナメコの生長もすこぶる速くなる

右上の写真は、ブナの立ち枯木に発生したナメコの群落・・・
傘が開き始めた旬のナメコだが、手が届かない高所に生えている
こうした立木の幹に生えるキノコは、ナメコ、ムキタケ、ブナハリタケ、ヤマブシタケ、ヌケオチなどがある

手の届かないキノコは、柄の長い鎌で切り落とすか、
ナタで長い棒を作り、下から突いて落とすしかない
今回は、長い棒を作り、下から突いて落とす方法をとった
左の写真は、落としたナメコを拾い、石突きを除いてザルからビニール袋に移し替えているところ
右の二枚の写真は、手が届く範囲に生えてきた幼菌・・・生長を楽しみに残す 
落葉が降り積もったブナ林・・・毎度、肉厚のナメコが生える倒木に向かう
ナメコ木は、大分朽ち果ててしまったが、倒木の上側にナメコが生えていた
傘の中央部が濃い赤褐色に彩られたナメコは、傘も柄も肉厚である
▲傘の上側アップ ▲下から見上げると、虫食いゼロの「肉厚ナメコ」であることが分かる ▲黄葉晩期のブナ林
▲ムキタケ ▲落葉とナメコ・・・落葉舞い散る季節がナメコの季節
▲数百年ブナに生えたナメコ

一週間前、豆粒だったナメコは傘が開き、傘の表裏は変色して既に品質低下し始めていた
採取するのにギリギリセーフといった感じだった
この倒木に生えたナメコを見れば、豆粒、幼菌、傘の開き始め、成菌、老菌など
大きさや品質にバラツキがあることが分かる
もう一週間おけば、ほとんど腐ってしまうだろう・・・豆粒だけを残して全て採取することにする
▲倒木の皮を破って生えてきたナメコ ▲皮の下のナメコは白い柄が長い
緩やかな斜面一帯には、数百年ブナが林立している
ナメコは、うず高く降り積もった落葉と同じ保護色をしている
だから良く見ないと、ナメコの大きな群落でさえ見逃してしまうこともある

森に降り注ぐ光のシャワーを浴びながら、楽しいナメコ採りがエンドレスに続く 
訪れる度にナメコが生えている倒木・・・
キノコは、こうした緩やかな斜面に倒れた倒木に生えやすい
適度な雨と光、風、そして排水の良い場所を好むのが分かる

条件に恵まれたブナの倒木ならば・・・
ナメコは採っても、採っても、場所を変えながら次々に生えてくる
ナメコは、マイタケ同様、約一か月にわたって楽しむことができる
▲新たに発生した豆粒ナメコ・・・生長を楽しみに残す 
▲この倒木には、下側にナメコの成菌、上側にムキタケとナメコが混成していた
▲上側に生えたムキタケ ▲ムキタケとナメコの混生  ▲乾いたナメコ成菌
錦繍の森を彷徨い、倒木を見つけては、ナメコ、ムキタケを探す
森に光が射し込むと、青空を背景に紅葉が炎立つ
ブナ林のナメコ採りは、天候に恵まれると、心まで炎立つ
ナメコ採りに飽きてきた頃、時計を見ると11時・・・
朝飯は6時前だったので、お腹が空いた
昼には早いが、お湯を沸かして昼食とする

ナメコは順調に採れていたが、大群生には遭遇していなかった
昼食後、念願の大群生に連続して当たる!
ナメコの大群生その1

根元を残して斜面に倒れ込んでいたブナ
そのブナの枝木にビッシリ生えたナメコの群生は見事だった
傘のヌメリは一際強く、軍手が使い物にならなくなるほど凄まじかった
▲ナメコの大群生を採る ▲厚い粘液に覆われたナメコ ▲根元の幹に生えたブナハリ
急崖の斜面上部の高台は、数百年ブナの森が広がっている
一帯は、もちろんキノコの楽園でもある
これまでお世話になった倒木は、かなり朽ち果てキノコパワーも衰えてきたが・・・
▲ムキタケ
▲クリタケ ▲木の根元に生えた黄ナラタケ ▲埋れ木に生えたナメコを採る
かつてナメコが大群生した倒木は、残念ながら朽ち果て、地面に埋もれそうになっていた
そのわずかな隙間にナメコが生えていた
この木も今年で終わりか・・・と思って、周囲を探し回っていると・・・
ナメコの大群生その2

相棒が荷をおろし、「ちょっと、用を足して来る」と言った
すぐさま「あら〜!、ナメコが敷がさってある」と叫んだ
埋れ木に発生したナメコの大群生であった
ナメコは、傘が開いた成菌になると、ボリュームと重さが格段に増す
採取用のザルもあっと言う間に満杯となる
ビニール袋一杯に採って担ぐとズシリと重い・・・もはや満足度100%であったが・・・
▲大群生の一部に豆粒発見  
▲ムキタケ ▲急崖斜面入口でナメコ成菌を採る 
ナメコの大群生その3・・・本日最大の大群生

一週間前、豆粒幼菌を残したブナ倒木に辿り着く
二人とも、極上ナメコの群生美に感嘆の声を発した
そして・・・「これだからキノコ採りは止められねぇ」と叫ぶ

それでも2割程度は、既に老菌となっていた・・・モッタイナイ、モッタイナイ
折り重なるように大群生するキノコの旬は、意外に短い
だから毎週のごとく通わないと、旬の大群生ナメコには出会えない
開いた傘や傘裏ともに、黄白色のクリーム色で美しい
幾層にも折り重なるように群生したナメコ・・・その全てが旬に当たると・・・
嬉しさに顔がほころび、小躍りしたくなるほどである
▲黄葉晩期のナメコ

ブナの倒木の傾きから急斜面の倒木であることが分かる
こうした水分の供給と排水のバランスが良い倒木にナメコが生える
黄葉晩期にふさわしく、分厚い皮を破って生長した旬のナメコに大量の落葉が降り積もっている
群生ナメコは、ナイフで株ごと切り取る
その際、切り取ったナメコを丸ごとザルで受けるようにすれば、効率良く綺麗に採取できる
「大群生その3」で採取したナメコを背負う

荷の重さは、前のめりになって必死に歩かねばならないほどだった
ナメコの最高記録を更新する重さであった
天然ナメコと原木栽培ナメコの見分け方

天然ナメコと原木ナメコは似ており、見分けるのが難しいと言われている
例えば柄の太さを比べると、原木栽培ナメコの方がむしろ太いくらいである
ただし、原木栽培ナメコの特徴は、大きさがそろっていること

天然ナメコは、同じ倒木でも早生〜晩生種まで混在し大きさが異なる
さらに、採る場所が何か所にも及ぶ
従って、大きさや柄の太さがそろわないのが最大の特徴である
奥山の天然ナメコ採り
天然ナメコは、原始的なブナの森でなければ容易に採取できなくなった
我々がお世話になっているナメコ木は、車止めから歩いて2時間ほどの奥地にある

往復するだけで4時間もかかる
だから車止めを6時に出発しても、車止めに着くのは暗くなる寸前の午後4時前後になる
ゆえに毎週のごとく山に入っても、同じキノコ採りに出会うことはほとんどない

今年は、春先から左足絶不調に悩まされ続けた
それだけに、山を自在に歩ける幸せと、旬のナメコの群生に出会えた感激は一際大きかった
▲1箱24個入りの缶に詰め込んだ天然ナメコ(ナメコは生のまま缶詰に入れる)

 ナメコはヌメリが強い分、付着した枯葉や苔、泥などが落ちにくい。従って、一晩水あるいは塩水に浸した後、二度ほど水洗いすれば簡単かつ綺麗に仕上がる。

 今回は、上物ナメコのみを選別し、缶にギューギュー詰めにした30個を缶詰加工した。残りの中物ナメコやムキタケ、ナラタケは全て小分けにして冷凍保存した。

 今年はマイタケ採りに1回しか行けなかったが、専用冷凍庫は天然キノコで満杯となった。キノコに限れば、ほぼ自給自足体制が整ったように思う。      
▲ブナ林で採取したナメコ・・・どんなに丁寧に採取したとしても、枯葉や泥などが付着する
▲一晩水に浸し、二度水洗いしたナメコ ▲水洗いした生ナメコを缶に入れる

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