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最後のマイタケ、サワモダシのピーク予測、クリタケ、ブナシメジ、マイタケの迷信・注意点、サワモダシの処理と保存・・・
▲傘が開いた旬のサワモダシ(ナラタケ)

前回のサワモダシは、部分的に生え出したばかりで、本格的なサワモダシには程遠い
サワモダシは、成長が早く腐るのも早い
2、3日ズレただけで、ほとんど腐っていた・・・ということは日常茶飯事に起きる

過去のサワモダシ爆発データを見ると、
2006年10月7〜8日
2008年10月17〜18日
2009年10月4日

つまり、過去のデータを見れば、ピークが2週間もズレていることが分かる
今年の天候は「異常」とは言っても、過去の変動範囲に収まっている場合が多い
▲色付き始めたマイタケ山

今年は、2008年と同様、「黄葉の季節にサワモダシ」に近いほど遅れている感じがする
従って、サワモダシ採りの最大の難問は、山全体が一斉に生え出すピークを予測すること
年によって変動の激しい爆発のピークに当たるには、数多く山に入るしかない
▲毒キノコだが、旬に見えるツキヨタケ ▲生え出したサワモダシ

午前6時前、車止めを出発
沢に横たわる倒木を見下ろすと、キノコらしきものが見えた
沢に下りて確認すると、ムキタケだった

今朝までの雨で、雑キノコたちも一斉に生えてきたようだ
ほどなく、沢筋の倒木に生え出たばかりのサワモダシを採取する
▲開いた傘の透明感、傘から滴り落ちる雨露・・・旬のサワモダシを象徴するような光景 ▲サワモダシの幼菌・・・傘色の濃淡は千差万別
▲クリの倒木の根元に群生していたクリタケ

遠くの斜面には、白が際立つブナハリの群生も見える
ブナハリは、味の割には重く嵩張るので全てパス

雑キノコの中では、何といってもサワモダシがナンバーワンである
だから、旬のサワモダシは、できるだけゴミを取り除き、丁寧に採取する
途中、旬のヌメリスギタケもあったが、これもパス

サワモダシを採りながら上ると、今日のマイタケルートの尾根まで着いた
採取したサワモダシは、沢沿いにデポし、急峻なヤセ尾根を上る
峰の途中で一服・・・振り返ると、山も山頂付近は、早くも色付き始めていた
今後、山の気温低下とともに、山頂から谷に向かって「黄葉の峰走り」が、いよいよ始まることだろう
▲採取した痕跡・・・採り残しは×。これが腐ると菌が死滅し、数年生えなくなるという。
▲成長が止まったようなマイタケ・・・マメやサワリを手で触ると、成長が止まるという ▲採り残しの株・・・これは本命のミズナラではなく、隣のブナの根側に生えていた

上りながら尾根を見上げる、枯れ沢に切れ込む急斜面を見下ろす
さすがに、この山はミズナラの巨木が多い
昔から「マイタケ銀座」と呼ばれる理由がよく分かる

しかし、それだけに人の歩いた痕跡やマイタケを採ったが痕跡が至る所にある
それを見ただけで、終盤ともなると、ほとんど期待できないことが分かる
と言うのも、例えマメやサワリを残したとしても、後の人に跡形もなく採られてしまうからだ

マイタケ晩期・・・最上級品と言われるクロフの大株を採るには、誰にも知られていない秘密のマイタケ場を持っているか、あるいは、人跡稀な奥地のマイタケでないと難しいように思う
新しいマイタケ山を開拓する必要性は、まさにこの点にある

プロの世界でも、マイタケ山は重複するらしく、プロ同士の熾烈な戦いがあるという
まして素人の世界・・・誰にも邪魔されない夢のマイタケ山・・・
そんな夢のような場所が、果たしてあるのだろうか
▲アケボノサクラシメジ
急斜面に群生していたが、食指が伸びずパス
▲採り残しにしてはラッキーな株
傘が目一杯開き、もう少し経てばナガレてしまうスワリ状態のマイタケ
いかにも美味しそうな香りがした
▲手で起こすように採れば、根株ごと採取できる
ただし、泥の付いた根の部分は、ナイフで切り落としてから風呂敷に包む

運良く見つけたとしても、採られた後の取り残しやナガレばかり・・・
遠くから見て、何かあると根元に近付けば、決まって若いマスタケ
旬のマスタケたが、重く嵩張るだけに全てパス

結果的に、取り残しの株を3株採取しただけ・・・
中には、大量のナガレの株が原型をとどめないほど解けてしまったものもあった
これでは、キノコ木の根元が死滅した菌に覆われ、数年生えないだろう

マイタケ採りの迷信と注意点
▲成長が止まって腐ったマイタケ・・・これはどうしたことか? ▲傘は開いているが、こんな小株では感激なし

マイタケが大きくならずに腐る理由は・・・
やっと発見したマイタケが幼菌の場合、思わず触りたくなる
しかし、近付いて触ったり、息を吹きかけたりすると、人の雑菌で成長が止まると言われている

つまり、マイタケは環境に敏感なキノコで、人の雑菌に弱いと言われる
だから、極力キノコ木から離れて観察することを心掛けるべきだという
マイタケが大きくならずに腐る理由は、上の注意点を怠ったためではなかろうか
▲倒木の根に張り付いたマイタケや窪地マイタケは、刃物かツクシで切り取るしかない
刃物を使えば、次から生えなくなると言われているが・・・?

刃物を使うと翌年からマイタケは出なくなる(迷信?)

これはどうも迷信のようである
数十年、根に張り付いたマイタケを刃物で採っているが、そんなことは一度もないという
それでは、何故そのような迷信が残ったのだろうか

これは全くの推察であるが・・・
目屋マタギは「マイタケを採る時は、根株が残らないように綺麗に採る」と言っている
つまり、刃物で切り取ると、どうしても根株が残ってしまう
それを避けるために刃物を嫌ったのではなかろうか

例えば、巨大な根の空洞から生えたマイタケの場合、刃物では奥まで届かず、全て採ることができない
こんな場合は、低木を三尺あるいは四尺程度に切ったツクシでないと届かない
次に生えてくるように採るには、どんな場合でも「根株が残らないように綺麗に採る」とすれば、
確かにツクシがベストの選択のように思う
キノコバエが飛んでいたナガレ初期の腐れマイタケ
・・・また生えることを祈り、腐ったマイタケを全て取り去った

腐ったマイタケの適正な処理

終盤になると、残念ながらナガレのマイタケに遭遇する場合も多い
目屋マタギは、「運悪く育ちすぎて腐ったマイタケを見つけたら、すっかり取り去る
こうしないと、来年その木から良いマイタケが採れない」と言う

いずれにしてもプロは、キノコ木からできるだけ離して捨てるのが鉄則だという
前回と今回、腐ったマイタケが原型をとどめないほど解けてしまっていた
そんな個体が、根の周りを取り囲むようにあった

写真を撮るどころか、見るに耐えない無残な光景であった
これでは、大事な菌は死滅し、根の周囲に悪影響を与えるであろうことは容易に推察できる
▲沢の中央を塞ぐように倒れていた倒木に群生していたサワモダシ
▲ブナシメジ
分厚い苔に覆われた倒木から、宝石のように可愛いブナシメジが生えていた
しばし眺めていると、兄弟仲良く、苔の芝生で楽しそうに遊んでいるような幸せ感が伝わってくる
キノコの風景は、不思議な造形美に溢れ、思わずシャッターを押してしまう魅力がある
▲逆光で下から見上げるように撮る
▲サワモダシの幼菌アップ ▲傘がやや開き始めたサワモダシ
▲倒木を埋め尽くすほど生えてきた幼菌
明らかに二日前の状況とは変わってきている
サワモダシは、成長が早く、あっと言うまに傘が開き成菌になる

至るところに幼菌が出てきた状況を見ると、旬のピークは近いと思う
勝負は、天候次第だが、1週間内外であろう
サワモダシの処理と保存法
▲ポイントその1:水洗いせず、袋から直接鍋に入れる・・・壊れやすいサワモダシはまず熱を加えること ▲ポイントその2:水は少なめに入れる・・・熱を加えるとキノコから水分が出てくる
▲さっと湯がいたら、すばやく二度ほど水洗いし、ザルに入れて水を切る

壊れやすいサワモダシの処理と保存
サワモダシの場合は、水洗いを省略して、とにかくそのまま茹でるのが重要なポイント
いったん茹でると、ゴミとの選別が簡単で、傘も壊れにくくなる
秋田では、大量に採取し、塩蔵して冬に備える代表的なキノコで根強い人気がある

調理、長期保存、料理
・生食は×、缶詰などに加工し保存する際は必ず茹でること
・上記のように処理したサワモダシの保存は、缶詰、冷凍、塩蔵が一般的である
・料理・・・味噌汁、納豆汁、鍋物、おろし和え、酢の物、煮物、麺類の具など、どんな料理にも合う

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