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ナメコ群生5、ブナの純林、黄葉の峰走り、巨樹の森、ナメコの選別、落葉舞い散る谷、知られざる「人生の楽園」・・・
▲ナメコの群生その5
急峻な枯れ沢を真横に遮るように倒れたブナと幼菌の群れ
奥にブナの巨木が見える・・・天然ナメコの美は圧巻である

この倒木は、例年早稲系のナメコが生え、晩秋の頃ともなると腐ってもったいない状態になっていた
今回はタイミングがピッタリ・・・極上の幼菌と成菌がびっしり生えていた
▲極上の幼菌アップ ▲横から見ると、木に産み付けた魚の卵塊のようにも見える
▲同じ倒木の右側は、傘が饅頭型の旬の成菌が連なっていた
二日目・・・この倒木の採取は、アッちゃんに任せて、いつもの相棒と二人で奥地に向かった
いつもの枝沢入口から入る・・・すぐに沢は二つに分かれる
一帯はブナの原生林で、数百年ブナの風倒木が多い

しかし、左の沢はなぜかナメコが極端に少なく、サワモダシが良く生える
ナメコとサワモダシは、巧みに棲み分けをしているのだろうか
この細い枝木は、昨年二回もお世話になった
今年は、上側が既に腐り、下側にまばらにしか生えていなかった
ナメコは、気温、湿度、光の度合いによって生える時期が微妙にズレル
▲新しいナメコ木のデータを探るべく、未知の尾根を彷徨う。ミズナラの姿はなく、どこまで上ってもブナ、ブナが連続していた。 ▲老木の根元に生えたブナハリの群生・・・重くかさばるので全てパスしながら上る
標高約600m地点に達すると、一転穏やかな高台に出る
一帯は、数百年の年輪を刻んだ巨樹の森が広がり、頭上から野鳥の鳴き声が降り注ぐ
まさに、ナメコの楽園のような別天地である

周辺には、巨樹のブナが寿命尽きて大量に倒れていた
しかし、まだナメコは初期段階で、まばらにしか生えていない
晩秋ナメコの大爆発が期待できる貴重なポイントである
巨木が倒れると、森にポッカリ穴が開いたようになる
こういう穏やかな森には、ナメコが生えやすい
根元側に生えたナメコは、残念ながら半分ほど腐っていた
▲マメの幼菌が連なる風景
ブナの純林が広がる一帯は、明らかにナメコの菌に覆われている
その見えない菌が、いつ地上に姿を現すのか
これだけは、ナメコに聞くほかない
▲巨木に連なるマメの群れ
これは、晩秋ナメコ大爆発の予告のようにも見える
もちろん、採らずに残す・・・
ただし、その位置を頭の中にしっかりとインプットする 
▲標高600m〜700mのブナ林は黄葉の初期段階
森に光が射し込むと、美しい輝きを放つ
▲苔生す倒木に生えた成菌
一帯は、サワモダシが大量に腐っていた
その一部にナメコが生えていた
時に、ナメコとサワモダシは混生する・・・まるでイワナとヤマメに似ている 
▲折れ曲がった境目上部に生えたナメコ ▲まだ食えそうなサワモダシの成菌
▲ブナの巨大な足
急斜面に根を張るたくましさが伝わってくる
▲傘が開いたサワモダシ・・・食えそうなものを選別して採取する
▲ヌメリスギタケ
ナメコに似たヌメリのあるキノコで、傘がささくれだっている
それだけに一見、違和感を覚えるが、遠くからでも良く見え発見しやすいキノコだ
味噌汁や鍋物に向くキノコだが、我々にとっては外道に過ぎず、全てパス

なぜならブナ林では、発生頻度が低く、大量に採取できるキノコではないからだ
我々のターゲットは、一度に数kg〜数十kgも採取可能なキノコに限定している
雪国のキノコ採りは、長い冬を生き抜くために大量に保存できることが絶対的な条件になっている
▲黄葉の峰走り
正面ピークの山頂周辺は黄葉真っ盛り・・・
黄葉の峰走りは、標高千mから約800m程度まで達している
谷底の標高約400mまで達するには、1週間前後かかるであろう
▲ブナの巨樹の森・・・ナメコの楽園を代表するような空間が延々と続く
命の糧を無償で与え続けてくれるブナの森・・・やはり「母なる森」である
それだけに、この森に入ると、何となく遺伝子が落ち着くのを感じる
▲晩秋に期待がかかる倒木 ▲老木の根元に生えたサワモダシ ▲老木を蝕むブナハリの群れ

二日目は、データをもたないルートを歩いてみたが、やはり収穫量は少なかった
データを持っているかどうかで、収穫量に大きな差が出ることは明らか
しかし、ナメコ木は、年毎に朽ち果て、やがてナメコが生えなくなる

従って、常に新しいナメコ木のデータを更新していかないと持続的なナメコ採りはできない
今回、晩秋ナメコの予測とマイタケが生えるミズナラの巨木のデータ収集も兼ねて、
急峻な尾根筋を歩いてみた
しかし、驚いたことに、ミズナラの木がほとんど見当たらず、ほぼブナに独占されていた

やはり、歩いてみないと全体の林相は分からない
数百年ブナの倒木は、恐らく晩秋にナメコが生えるだろう
小沢で早い昼食を済ませ、早めにテン場に戻る
▲天然マイタケ入りのラーメン  ▲ナメコの選別 

採取したナメコは、幼菌、成菌中、成菌大、品質下の4段階に選別する
直径30cmのザルは、採取したキノコの選別、調理の際に大活躍する
選別したナメコは、種類別に三等分にする
▲ナメコの幼菌
▲ナメコ成菌中 ▲ナメコ成菌大

山に入れば、山のルールに従う
我が会では、マタギに学び、山の恵みは、全て均等に分配するのが鉄則になっている
そうしないと、山の神様の罰を受けることになるからだ
▲キャベツと豚バラの蒸し煮 
▲定番のおろし和え ▲雑キノコ鍋 ▲雪国の食文化を代表する納豆汁・・・キノコはナメコとサワモダシを使う
▲ 落葉舞い散る谷
谷に3日間もいると、渓畦林もだんだん色鮮やかさが増してきた
岩をかむ清冽な流れ・・・渓に点在する岩の上には、大量の落葉が降り積もっている
深い谷全体が黄葉のピークを迎えると、原始庭園の美はクライマックスに達するだろう
▽知られざる「人生の楽園」

朝日テレビ系のドキュメンタリー番組「人生の楽園」・・・
50代以上の夫婦が田舎暮らし、農園、グリーン・ツーリズム、離島の暮らしなど、第二の人生を歩むドラマ・・・
そこには、がむしゃらに働く競争社会とは明らかに異なる「人生の楽園」がある

番組では「人生には楽園が必要だ」という・・・まさにそのとおりだと思う
山釣りの世界は、同じ「人生の楽園」の中でも、「知られざる楽園」に入るだろう
そこは人跡稀な桃源郷・・・早春から晩秋まで山の恵みが決して絶えることがない

中でも晩秋のナメコ狩りは、その楽園の一年を締めくくるラストイベント・・・
晩秋ナメコの大豊作を山の神様に祈って、その日が来るのを待ちたい

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